医療と人権
国際連合は1948年「世界人権宣言」を行い、わが国では、憲法において基本的原理の1つとして基本的人権の尊重が謳われ、また人権擁護法案が施行されています。
世界医師会では「ジュネーブ宣言(1948)」が行われていますが、わが国でも薬害エイズ問題・ハンセン病問題、さらには精神障害者の問題など、医療と人権は深く関わりあっています。
治験と人権
医学的研究においては、第二次世界大戦の戦争責任を裁く国際軍事裁判において「ニュールンベルグ倫理綱領(1947)」が採択された後、世界医師会は1948年の「ジュネーブ宣言」で医療における倫理的規範(人道的目標)を示し、1964年には「ヘルシンキ宣言」でヒトを対象とする医学研究の倫理的原則が採択されています。
治験においてもこの「ヘルシンキ宣言」の原則、すなわち科学性、倫理性、信頼性が求められ、GCPに規定されています。
治験にかかるインフォームド・コンセント
『答申GCP[医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)の内容](中央薬事審議会答申、平成9年3月13日)の用語の定義より』
被験者の治験への参加の意思決定と関連する、治験に関するあらゆる角度からの説明が十分なされた後に、被験者がこれを理解し、自由な意思によって治験への参加に同意し、書面によってそのことを確認すること。インフォームド・コンセントは被験者若しくは代諾者による記名捺印又は署名と日付が記入された同意文書を持って証明される。