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げんき情報

急性中耳炎

子どもに多い中耳炎。難聴を引き起こすこともあります。

令和6年3月更新

中耳炎は子どもに多い病気で、放置しておくと慢性化して難聴を引き起こすこともあります。
風邪を引いた時には鼻をすすったりせず、軽く片方ずつ鼻をかみ、細菌が中耳に入らないようにすることが大切です。
耳にツーンとくるような鼻のかみ方はやめましょう。

●鼻の奥にいる細菌が中耳に感染して起こる「中耳炎」

 鼻の奥の部分と「中耳」とは、「耳管」という細い管でつながっています。「中耳炎」は鼻の奥にいる細菌が耳管を通って中耳に感染すると起こります。子どもは耳管が短く、傾斜もなだらかなため、細菌が中耳に到達しやすくなっています。そのため「中耳炎」は5、6歳までの子どもに多いのです。

●「急性中耳炎」が治りきらないと「滲出性中耳炎」「慢性中耳炎」になることも

  • 急性中耳炎:風邪を引いた時に起こりやすく、主な症状は、熱が出る、耳が痛む、耳だれが出る、難聴が起こる、耳が詰まった感じがするなどです。大人の場合は熱が出ないことが多いです。また、言葉が話せない小さな子どもの場合は、うまく症状を伝えることができないため、「急な発熱」「耳に手をやる」「不機嫌になる」など、子どもの様子をチェックして早く察知してあげることが大切です。
  • 滲出性中耳炎:急性中耳炎を繰り返し、遷延化すると、中耳に滲出液が貯留したままとなり、難聴になります。鼻内の炎症が治らないことが原因ですので、鼻内をきれいに処置することが重要です。
  • 慢性中耳炎:急性中耳炎が治りきらないまま放っておくと、鼓膜に孔があきます。そのままの状態にしておくと、再び中耳炎が起こった時に、中耳に溜まったものが耳だれとして出てきます。これを「慢性化膿性中耳炎」と呼びます。鼓膜に孔があいているため、難聴が起こります。

●症状が重い場合は抗生物質を服用する

 症状が軽い場合は「解熱剤」などで熱を下げて、体調を良くすれば治ります。しかし38度以上の熱があったり、耳だれを伴っているなど、症状が比較的重い場合には「抗生物質」を服用して、体内の細菌を取り除きます。
 中耳に膿が溜まっている場合は、鼓膜を少しだけ切開して膿を出すこともあります。ほんの小さな孔なので、すぐに塞がり、聴力に影響を及ぼすことはありません。
 急性中耳炎が治ったあとは、耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてチェックしておく必要があります。

 予防には、風邪を引かないように、手洗いやうがいなど普段の生活習慣に気をつけ、規則正しい生活を送りましょう。また、夜間に強い耳痛があっても急ぐ必要はなく、耳の周囲を冷やしたり、市販の解熱鎮痛薬を服用することも応急的な対処として有効です。翌日は耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

急性中耳炎