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大阪府民のみなさまへ
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ピロリ菌が引き起こす疾患に要注意。
早期に発見し治療することが大切です。
令和元年7月更新
胃の粘膜に感染する細菌であるピロリ菌は、慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍に深く関わっており、胃がんの発症との関連もあると言われています。これらの防止のためには、ピロリ菌の除菌治療が有効です。
ピロリ菌は、衛生状態の悪い時代に生まれた50歳以上の年代で高い感染率を示しています。免疫の働きの弱い幼児期に、飲み水や食べ物を介して感染すると言われており、一度感染すると、多くの場合、そのまま胃の粘膜にすみ続けます。
胃にピロリ菌が感染すると慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)になります。これが長く続くと萎縮性胃炎や胃・十二指腸潰瘍を引き起こし、一部は胃がんの発症と関連すると言われています。また、胃・十二指腸潰瘍が再発しやすくなることも分かっています。
胃・十二指腸潰瘍はみぞおちの痛みがあることが多いですが、それ以外はピロリ菌に感染していても特徴的な症状はありません。胃の不調を繰り返す場合は、ピロリ菌の影響も考えられますので、安易に市販の胃薬などに頼るのではなく、かかりつけ医に相談するようにしましょう。
ピロリ菌の検査方法には、いくつかの種類があり、血液や便、呼気などを用います。
ピロリ菌に感染している人すべてが潰瘍やがんを発症するわけではありませんが、感染していることが分かれば、一般的に除菌が勧められます。
除菌には、抗菌薬2種類と胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬の計3種類を7日間服用します。除菌治療の効果や起こり得る副作用について、医師の説明をよく聞き、納得して治療を受けてください。自分で服用を中断したり、飲み方を変更すると、除菌の効果が低くなるだけではなく、耐性菌が出現することもあるので、服用中気になる症状があれば、まず医師に相談してください。
除菌治療が成功しても、胃・十二指腸潰瘍や胃がんを発症する可能性は減りますが、ゼロになるわけではないので、除菌後も胃の検診は受けるようにしましょう。
サプリメントや健康食品だけではピロリ菌の除菌はできません。
ピロリ菌の検査および除菌治療を健康保険で行うには一定の条件があります。詳しくはかかりつけ医に相談してください。