ベースアップ評価料


令和6年度診療報酬改定で新設されました。賃上げが進む社会情勢の中、医療従事者への対応と人材確保が目的となっています。
近畿厚生局への届出の上、算定することができます。
届出が受理された場合、届出日に応じて算定が可能です。

 

「ベースアップ評価料」に関するQA


Q1.ベースアップ評価料(Ⅰ)を算定するには、届出が必要か?
A1.ベースアップ評価料については、届出が必要です。
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)については、「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の施設基準に係る届出」(別添2の様式95)および「賃金改善計画書」を新規届出時および毎年4月に作成し、新規届出時および毎年6月に近畿厚生局に届け出ます。また、毎年8月に、前年度分について「賃金改善実績報告書」(別添2の様式98)を近畿厚生局に報告します。
届出日に応じて算定できますので、可能な限り届出していただきますようお願いいたします。

Q2.ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出は、どのようにすれば良いか?
A2.「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」の届出様式は、別添2および様式95~98(該当するシート)と、「(参考)賃金引き上げ計画書作成のための計算シート」を含めて、近畿厚生局(大阪府<指導監査課>: baseup-hyoukaryou27@mhlw.go.jp)に提出します。なお、メールアドレスを有していない等の場合には、書面による提出も可能です。

別添2及び様式95~98(Excel:371KB)
ベースアップ評価料の「届出書」および「賃金改善計画書」については、近畿厚生局ホームページ(外部リンク)をご確認ください。


Q3.ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出に係る「賃金改善計画書」の作成手順を教えてほしい。
A3.
①届出様式の「(参考)賃金引き上げ計画書作成のための計算シート」を使用します。
・届出を行う月を選択
・算出に際して用いる「対象職員の給与総額」の対象期間は、上記届出月を選択することで自動入力
・対象職員の給与総額の算出については、中途採用、途中退職者を含めて、対象期間における全対象職員の給与総額を記入
・「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」等の算定回数・金額の見込を選択
・初診料、再診料の1月当たりの平均回数(実績)を記入
⇒自動的に【合計】欄には、「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」の算定点数の見込みが表示されます。

②「ベースアップ評価料賃金改善計画書計算ツール(医科)」が、厚労省のホームページに掲載されています。
・当該計算ツールを使用する場合、まず①で算出した「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」の算定点数の見込みを入力します。それから「計算シート」の赤枠に、賃金改善開始月時点で在籍する職員を入力します。
・「計算シート」の黒い太枠のセルの情報が、「転記例」シートに反映されますので、この情報を参考に「賃金改善計画書」を作成してください。
・作成した「賃金改善計画書」の数値を届出様式に転記して届出を行います。

<様式等>
ベースアップ評価料賃金改善計画書計算ツール(医科)(Excel)
外来・在宅ベースアップ評価料 賃金改善計画書用計算ツールの使用方法(PDF)
ベースアップ評価料賃金改善計画書計算ツールの使用方法(医科)(説明あり版)(PDF)


Q4.賃金の2.5%引き上げまで達しないとベースアップ評価料を算定できないのか?
A4.2.5%は政府目標であり、賃金を2.5%引き上げないとベースアップ評価料を算定できないわけではありません。また、対象職員のベースアップは、すべて一律ではなく、任意で決めることができます。2.5%の引き上げは目標であり、自院の初・再診料の算定回数にあわせて、賃上げ計画を作成する必要があります。なお、令和6年度の基本給等を令和5年度と比較して2.5%引き上げ、令和7年度に4.5%引き上げた場合、40歳未満の勤務医ならびに事務職員等の賃金の改善を実績に含めることができます。


Q5.ベースアップとはどのようなものか?
A5.ベースアップとは、「賃金表等の改定等による賃金水準の引き上げ」「給与規程や雇用契約に定める基本給の引き上げ」「毎月支払われる手当の増額・新設」を行うことです。


Q6.令和6年度限りの点数なのか?
A6.これまで看護職員の処遇改善が評価されているのと同様に、次回改定で廃止されることはないと考えますが、財源が変動する可能性もあります。そのため、賞与、退職金に影響する基本給として増額するよりも、毎月支払われる「ベースアップ評価手当」などとして新設することが望ましいと考えます。賃金規定への記載例について、例えば「第〇〇条ベースアップ評価手当は、下記の通り支給する」として金額と対象職種を記載します。「本手当は診療報酬におけるベースアップ評価料をもとに支給するため、本制度が改定された場合は、見直しを行うことがある」という記載を盛り込むことにより、この手当は診療報酬におけるベースアップ評価料の制度に連動する手当であることを規定上明らかにする方法もあります。なお、ベースアップ評価料は、医療従事者(医師、専ら事務作業を行う者は除く)の賃金の改善を行うために評価されたものであり、ベースアップ評価料の収入はすべて賃金改善に当てる必要があります。


Q7.ベースアップ評価料の「事務作業を行うもの」とは?
A7.看護補助など患者のサポートを通じて医療に従事する業務を行う方は、「その他医療に従事する職員」として対象職員に該当します。パート職員であっても、看護師等の対象職種である場合は、常勤換算の記載は必要です(パート職員の賃金改善は任意)。


Q8.外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いについて教えてほしい。
A8.外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)は対象職員(常勤換算)数が「0」超、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)は原則「2」以上に該当する場合です。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)など、3ヵ月ごとの実績に応じて変動する可能性がある場合には、「なお、ベースアップ評価料に区分変更が発生した場合は、支給額を増額または減額する場合がある」との記載を盛り込んだ上で、金額に幅を持たせた形で掲載することも考えられます。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)は、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込みの10倍が、対象職員の給与総額の1.2%未満の場合に届出を行います。


Q9.ベースアップ評価料「賃金改善計画書」各記入項目について教えてほしい。
A9.
・計画書(<診療所>賃金改善計画書)については、評価料の収入(算定金額)の見込み(計算シートから自動入力)、賃金改善実施見込み(賃上げの予定総額)、賃金引上げを行う方法(就業規則、賃金規程などを選択)を記載します。
・給与総額は、「基本給」「決まって毎月支払われる手当」(調整手当、役職手当、資格手当、住居手当、家族手当、通勤手当、その他毎月支払われる手当)「賞与」「額が決まっていない手当」(超過勤務手当、夜勤手当、深夜割増手当、休日勤務割増手当、交代勤務手当、呼出手当、その他都度支払われる手当)などです。
・基本給等は、「基本給」と「決まって毎月支払われる手当」(調整手当、住居手当、役職手当、家族手当、資格手当、通勤手当、その他毎月支払われる手当)です。
・法定福利費の事業主負担分は、「基本給等」「賞与」および「決まって毎月支払われる手当以外の手当て」の合計額の16.5% として計上できます。
・「賞与」や「法定福利費の事業主負担分」も含めてベースアップによる賃金改善額を計画する必要があります。
・法定福利費については、「給与総額」には法定福利費を含め、「基本給等総額」には含めない取り扱いとなります。
・「対象職員の給与総額引き上げに必要な金額」が「ベースアップ評価料による算定金額」を上回る場合、対象職員に対するベア等の実施にあたり、医療機関の自己財源が必要となります。


Q10.外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の届出について教えてほしい。
A10.
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)については、「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の施設基準に係る届出」(別添2の様式96)および「賃金改善計画書」を、新規届出時および毎年4月に作成し、新規届出時および毎年6月に近畿厚生局に届け出を行います。また、毎年8月に前年度分について「賃金改善実績報告書」(別添2の様式98)を近畿厚生局に報告します。
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)は、毎年3、6、9、12月に新たに算出を行い、区分に変更がある場合は算出を行った月内に近畿厚生局に届出を行った上で、翌月(毎年4、7、10、1月)から変更後の区分に基づく点数を算定します。ただし、前回届け出た時点と比較して、12カ月の「対象職員の給与総額」ならびに3カ月の「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み」「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の算定回数の見込み」および【B】のいずれの変化も1割以内である場合においては、区分の変更を行わないものとします。区分変更がなければ、届出は不要です。

【B】=〔対象職員の給与総額×1分2厘-(外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ))×10円〕/〔(外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)イの算定回数の見込み×8+外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)ロの算定回数の見込み)×10円〕

ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)施設基準(抜粋)(PDF)


Q11.関連資料が掲載されているホームページはどこか?
A11.厚労省のホームページ(外部リンク)に「ベースアップ評価料特設ページ」が掲載されておりますので、ご参照ください。
ベースアップ評価料について医療機関で患者から説明を求められる機会が多くなることが予想されるため、厚労省は患者向けのリーフレットを作成していますので、ご活用ください。
(参考)医療機関用リーフレット(医科)
 

郡市区等医師会宛通知

令和6年度診療報酬改定における「ベースアップ評価料」「医療DX推進体制整備加算」の届出について(令和6年6月13日)