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就学前児保健研修会

府医ニュース

2025年4月2日 第3104号

子どもの栄養障害など課題を共有

 大阪府医師会学校医部会(部会長=宮川松剛・府医副会長)および大阪市保育・幼児教育センター共催の「就学前児保健研修会」が、令和6年12月18日に府医会館で開催され、大阪市内の園医・就学前施設教職員ら75人が参加した。

 座長は、神原雪子氏(同部会就学前児保健委員会委員長)が務め、森口久子・同部会副部会長(府医理事)が開会あいさつ。子どもの頃の栄養状態は、成人後に健康な身体で生活するための土台づくりにもなるため大変重要だと強調した。また、本研修会が現場の問題解決や連携の一助になればと語った。
 次いで、位田忍氏(大阪母子医療センター臨床検査科主任部長)が、「子どもの成長と栄養――乳幼児期の課題と対応」と題して講演。はじめに、子どもにとって大人は「安心の基地」であり、発達と自立を支える心の支えだと説明した。また、成育期の栄養支援は、健康な大人になることに加え、次世代の健康にも寄与すると言及。子どもの身長・体重が栄養障害の指標になると説示し、成長曲線をつけて状態を知ることが課題解決の第一歩だと述べた。さらに、▽低身長▽肥満とやせ▽体重増加不良――の判定や原因となる食生活・生活パターンなどを解説。便秘やダイエットの問題にも触れ、子どもの栄養障害はその後の成長に大きく影響するため、早期発見や適切な介入が重要と呼びかけた。
 その後、参加者は9つに分かれて、グループディスカッションを実施。医師と施設教職員が、▽感染症対策・予防▽発達障害▽食物アレルギー▽けいれんなどの救急対応▽食事と成長――など現場の課題を共有し、意見を交わした。