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医師・医療関係者のみなさまへ

第1回 災害医療基礎(初級)研修会

府医ニュース

2025年4月2日 第3104号

トリアージタグの実技訓練を実施

 大阪府医師会は令和6年12月9日午後、府医会館で6年度第1回災害医療基礎(初級)研修会を開催し、医師や看護師など約50人が参加した。

 開会にあたり鍬方安行理事があいさつ。本研修会は災害医療の入門編として基礎知識やトリアージタグの使い方などに関する講習を平成28年度より実施していると述べ、近年多発している自然災害や南海トラフ大地震に備えてほしいと呼びかけた。

基本的な知識と柔軟な発想で対応

 まず、藤見聡氏(大阪急性期・総合医療センター救急診療科主任部長)が、「知っててよかった災害医療の基礎知識」と題して講演。災害時には医療資源と医療需要のバランスが日常と逆転すると言及し、災害医療の最終目標は「最大多数の負傷者に最良の結果」であり、そのために災害医療の基礎を習得してほしいと訴えた。また災害には、地震や洪水などの「自然災害」と交通災害やテロ災害などの「人為災害」の2種類があると説示。いかなる災害であっても基本的な知識と柔軟な発想をもって対応することが重要とまとめた。
 次に、「災害時における市区町村保健医療福祉活動」について、松田宏樹氏(厚生労働省DMAT事務局)が登壇。2011年に発生した東日本大震災を契機に新たなシステムが構築され、災害医療においては本部業務の強化を目的とした「災害医療コーディネーター」が創設され、広域災害救急医療情報システム(EMIS)の機能拡充により病院情報だけでなく避難所情報まで集約されるようになったと報告した。さらに、それらのシステムが活用された熊本地震や大阪北部地震、西日本豪雨災害の保健医療活動を振り返った。
 講演後には、参加者がグループごとに分かれ、災害などによる傷病を想定したトリアージ訓練を実施した。