
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年3月5日 第3101号
大阪府医師会・大阪府看護協会・大阪府訪問看護ステーション協会との共催による第10回「大阪府訪問看護シンポジウム2024」が令和6年11月23日午後、府医会館で開催された。「人生会議(ACP)と救急」をテーマに、増え続ける高齢者救急搬送にどのように対応していくべきか、様々な立場から理解を深めた。ウェブとの併用で、医療従事者をはじめ、地域医療を支える専門職ら約450人が出席した。
山口恵子氏(大阪府訪問看護ステーション協会副会長)が司会を務め、はじめに中尾正俊・府医会長の逝去に哀悼の意を表し黙祷を捧げた。続いて、加納康至・府医会長代行(当時)があいさつ。今後の在宅医療提供体制構築における訪問看護との連携の重要性を強調。本シンポジウムがその一助になればと期待を寄せた。次いで、中谷健志氏(大阪府健康医療部保健医療室長)があいさつした。
引き続き、宮川松剛・府医副会長と髙澤洋子氏(大阪府訪問看護ステーション協会副会長)が座長を務め、池永昌之氏(淀川キリスト教病院緩和医療内科臨床倫理委員長)が、「ACPとは」と題して講演した。「ACP」とは将来の変化に備え、医療やケアについて患者が主体となり家族や医療関係者らと繰り返し話し合い、自身の意思決定を支援するプロセスだと概説。池永氏はACPを「本来死に方ではなく生き方を決めること」と語り、普段の会話から患者の価値観や人生観を理解し、本人の意思を推定する時の情報として役立ててほしいとアドバイスした。あわせて、事前に意思確認していても変わる可能性や、極端に治療を控えることの危険性についても説明した。
次に「高齢者の救急搬送」について、大矢亮氏(耳原総合病院副院長)、中村匡志氏(大阪南消防局)、八尾英人氏(特別養護老人ホームあんり施設長)、水取惠子氏(セコム豊中訪問看護ステーション統括管理者)、山田美代子氏(地域包括支援センター向日葵センター長)が現場の状況を報告。ACPの▽緊急時における重要性▽病院・関係者間の共有▽適切な実施――のほか、高齢者救急の受け入れ体制の整備などについて伝えた。
最後に、登壇した6人が高齢者搬送時の同乗者の有無や言葉の定義など、寄せられた質問に対して意見を交わした。