
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
調査委員会だよりNo.122
府医ニュース
2025年3月5日 第3101号
前回に続き、令和6年3月の調査の結果です。現在の水準の社会保障給付を維持するためには負担増は避けられないとの前提に立って、今後の負担と給付のあり方について問うた設問です。給付水準が下がっても負担を維持、もしくは減らすべきという群を「負担重視群」、また、給付水準を維持、または向上させるために負担の増加を受け入れるという群を「給付重視群」とすると、図の一番上にある全体での結果をみると、前者が41.9%、後者が28.7%となり、給付水準の低下よりも負担の増加を厭う群が勝っていました。今回の調査でこの傾向に男女差はありませんでした。4年前(令和2年)の同様の調査では、前者が37.5%、後者が35.9%と拮抗しており、この期間に、府民の意識としては、給付水準よりも、負担増を厭う群が増加していることになります。
これを図の下にある年齢別に見ると、「負担重視群」が年齢とともに下がり、「給付重視群」が反対に増加している傾向となっています。実際に負担を担う世代と給付を受ける世代という大きな視点に立てば、この傾向は頷けるところかもしれないと感じています。ただ、70代では、「負担重視群」の割合が少し上がり、「給付重視群」が下がっています。この世代が社会保障におけるこれからの負担と給付のあり方について、現実的に、そして切実な課題として捉えているためではないかと推察できるのではないでしょうか?
また、今回の調査の多くに言えることですが、「分からない」の比率は60歳以上では、それ未満の世代より低いのが特徴となっています。世代によって実際に社会保障サービスを受ける頻度も変化することもあり、社会保障についてその実感を身近に持つかどうかということが結果に影響していると推察しています。
文 島田 永和(羽曳野市)