
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年3月5日 第3101号
大阪府医師会は日本医師会との共催により、令和6年12月5日午後、府医会館で「女性医師等の勤務環境の整備に関する病院長、病院開設者・管理者等への講習会」を開催。「『変えていかなあかん!』医師の勤務環境改善と男女共同参画(ダイバーシティ)の促進について」をテーマに2題の講演をウェブとの併用で実施し、約50人が聴講した。
笠原幹司理事が司会進行を務め、冒頭、加納康至会長代行(当時)があいさつ。女性医師の割合が増加する中、出産・育児による離職防止やライフステージに応じた働き方を継続するには、病院長をはじめ上司・同僚の理解が不可欠だと説明。女性医師支援はすべての医師の勤務環境の改善につながると述べ、一層の協力を要請した。
座長は平松昌子氏(高槻赤十字病院医監)が務め、まず、奥野憲一氏(大阪府健康医療部保健医療室医療対策課)が、「勤務環境改善にかかる大阪府内の取り組みについて」と題して講演。大阪府の男女共同参画社会実現に向けた取り組みを紹介した。また、6年4月から運用開始された医師の働き方改革を概説。今後は持続可能な医療を目指して労働時間の短縮に取り組み、できるだけ早く特例措置を縮小していく必要があるとした。さらに、府内の医療機関の勤務実態や働き方改革に関する好事例などが報告された。
続いて、清野佳紀氏(地域医療機能推進機構大阪病院名誉院長)が、「医療現場における男女共同参画の重要性」について解説。女性医師の悩みを年齢階級別にみると、「家庭・育児に関する悩み」「医師としての悩み」が30~40代でともにピークに達すると説示。なかでも、「キャリア形成・スキルアップ」「プライベートな時間がない」などの悩みが多いと述べた。清野氏は、必要な対策として、①短時間正社員制度をはじめ柔軟な勤務体制②院内保育所などの環境整備③シフト制・複数主治医制など交代勤務④地域連携――を提示。あわせて、病院経営や医師雇用の強化、トップによる職場の雰囲気づくりも重要と呼びかけた。