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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年2月26日 第3100号
大阪府医師会は1月8日午後、第4回医療問題研究委員会を開催した。加納康至会長が「医師会の組織強化について」と題し講演。委員ら45人が出席した。
栗山隆信理事の司会で開会し、加納会長が登壇した。冒頭で加納会長が、「なぜ組織強化が必要なのか」と問題提起し、医師会の政治力の低下に言及。医師会の入会率と選挙時の集票力の低さを指摘した。現状では、医師を代表する団体と認識されづらく、医療財源をはじめとした政策に意見が通りにくい状況にあると説明した。引き続き会員数増加に努めるとともに、医師会が政府に主張していくためにも、特に参議院議員選挙で医師会が擁立する組織内候補の得票数を高めたいと訴えた。
次いで、日医の組織率の推移を提示した。平成12年の60・4%を境に、令和2年には51・2%まで低下したが、医学部卒後5年目までの会費減免期間の延長措置などにより5年には22年ぶりに前年比で会費数が2千人以上増えたと報告。大阪の日医入会率については、他府県と比較すると全体では高い一方、勤務医・研修医はやや低いとし、医師会のメリットの解説に移った。
まず、医師が医師会を「持つこと」のメリットとして、▽日本の医療制度を守る▽国民の生命と健康を守る▽真摯に医療に取り組む医師を守る▽勤務医の健康を守る――などを列挙。医師会は、より良い医療の実現に向け、医療現場の声を集約して意見を伝える手段と言明した。
さらに医師が医師会に「入ること」のメリットを詳説した。日医医師賠償責任保険や医師資格証のほか、医師年金など事業内容を概説。日医認定産業医や健康スポーツ医制度について取り上げた。府医の事業では、医師賠償責任保険の有用性を強調。充実した講習会や研修会、府医傷害補償事業や協同組合、信用組合の利用も紹介した。
最後に、医師会が組織率を高めることにより現場からの主張が届きやすくなるとし、組織力強化に対する引き続きの理解と協力を要請した。
講演終了後、▽医師会に対する圧力団体のイメージ払拭に向けた取り組み▽選挙時の日本医師連盟推薦候補者▽若手医師が参画できる医師会活動▽地域における新規開業医の入会促進▽病院実習などを通した研修医との交流――などについて意見交換。医師会の存在意義をさらに高める努力を続けていきたいと結んだ。