
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年2月19日 第3099号
東成区学校保健協議会大会が令和6年11月21日午後、同区民センターで開かれた。区内の医療関係者や教職員、保護者など約100人が参加した。
はじめに、同協議会長を務める岩本伸一・東成区医師会長があいさつ。子宮頸がんワクチンの積極的勧奨再開が「ワクチンの正しい理解」とする今回のテーマにつながったと語り、講演で「有効性を正しく理解してほしい」と述べた。次いで、御栗一智・東成区長が登壇。同協議会の取り組みが子ども達の健康と安全に寄与していると謝意を表した。
引き続き、上田豊氏(大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学講師)が、「HPVワクチンによるがん予防――その現状と課題」と題して講演した。まず、子宮頸がんの推移に触れ、「第1子出産前の発症が増えている」と指摘。治療法は進歩しているものの、妊孕性は保てないとの現状を示した。また、子宮頸がんのほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染がきっかけだと説明。性交渉で感染するため、経験前にワクチンを接種することで、子宮頸がんの発生を予防できると説いた。HPVワクチンを積極的に進めてきた海外の例では、子宮頸がんが激減しているとし、改めてワクチンの有効性を強調した。
副反応を背景に積極的勧奨が差し控えられた状況にも言及した。非接種世代では子宮頸がんの再増加が懸念されると見通し、キャッチアップ接種を促すとともに子宮頸がん検診も受けることが重要と加えた。そのほか、▽ワクチンの安全性▽2価・4価から9価への切り替え▽男子が接種することの有効性――などを解説した。
最後に、ワクチン接種の促進には、「専門家・知人・友人の勧めが大きく関与する」との持論を展開。正しい知識を伝え、ワクチン接種を検討するよう周囲に伝えてほしいと訴えた。