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医師・医療関係者のみなさまへ

1月度郡市区等医師会長協議会

府医ニュース

2025年2月19日 第3099号

 1月度郡市区等医師会長協議会(令和6年度第10回)が1月24日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は加納康至会長あいさつ(要旨)。

 1月1日から会長に就任し、間もなくひと月を迎える。急な環境の変化に戸惑いもあるが、先生方のお力をお借りしながら、大阪府医師会員1万7千人の代表として会務運営に務めたい。
 今年は、「2025年問題」と位置付けられていた年だ。新たに地域医療構想という考え方が示され、病床の機能分化を含めて地域の実績に即した医療提供体制の構築に取り組んできた。医療・介護・福祉の連携、在宅医療の提供など、地域の医療資源を十分に活用して患者を支えていくことになる。今年の干支は乙巳(きのとみ)ということで、努力を重ねて安定する年と言われている。長年思い悩んでいた事案が急変するという解釈もあり、これまでの努力が実を結ぶ形になればと期待している。
 医療を取り巻く情勢は非常に厳しく、そして複雑化している。昨今は、臨床研修修了後に直接美容医療の分野に進むいわゆる「直美(ちょくび)」が問題視される。厚生労働省は昨年12月25日に医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージを公表し、臨床研修後に3年以上の病院勤務経験があることを保険医療機関の管理者要件にするなど、医師偏在対策の中で直美を抑制していきたいという考えを示した。安易に高収入を得たいという方向性には疑問を持つが、一方で、真摯に美容医療やアンチエイジングに取り組みたいという医師の気持ちも考えなければならないだろう。
 国民の医療ニーズや多様性を踏まえても、国民皆保険制度や社会的共通資本としての医療など、将来にわたって守らなければならないものもある。医療は国民のためにあるという本質を忘れることなく、患者に寄り添う姿勢が医師には必要だ。
 中尾正俊前会長が掲げた4つの方針に加えて、組織力強化に取り組みたいと考えている。新規加入のA会員は減少傾向で、大きな危機感を持っている。未入会や安易な退会が進むと組織力は一層低下し、結果としてますます医療機関の運営が厳しくなるという負の連鎖が懸念される。難しい課題であるが、医師会に入会するメリットを実感してもらえるような施策も考えなければならない。各ブロックでは様々な勉強会が開催されており、府医の執行部としてもできるだけ参加させていただき、各先生方の意見を伺いたい。
 難しい局面だからこそあらゆる議論を通して団結していかなければならない。引き続きのご理解、ご支援をお願い申し上げる。