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医師・医療関係者のみなさまへ

第48回府医医学会総会

府医ニュース

2025年2月5日 第3098号

医学研究の成果を発表・表彰

 令和6年度(第48回)大阪府医師会医学会総会が6年11月4日、府医会館で開催された。府医会員による一般演題(パネル展示)発表や医学会評議員会、特別講演が行われたほか、総会終了後には、第56回医療近代化シンポジウムが実施され、「消化器疾患診療――最近の進歩」をテーマに3題の講演がなされた。

 一般演題(パネル展示)では、7ブロックに分かれ、計31題が発表された。郡市区等医師会や単科医会での取り組みのほか、自院での研究成果など、パネルを示しながら発表する様子を、府医役員や来場者らが熱心に聞き入っていた。

医学会評議員会
大阪医学府医会長賞を表彰

 引き続き、杉本圭相理事の司会により医学会評議員会が開催された。加納会長代行(当時)はあいさつで、中尾正俊前会長の急逝を報告し、黙祷を捧げた。また、中尾前会長は生前、次世代を見据えた若手の育成を気にかけており、初期臨床研修における広域連携プログラムの設定や専門医研修におけるシーリングの設定など、医学教育が医師偏在対策の一環として利用されている現況を憂慮していたと回顧。「専攻医がより良い研修環境でプログラムを遂行できることが重要」との中尾先生の主張を引き継ぎ、執行部一丸となって取り組みを進めていくと強調した。さらに、生涯教育の重要性に触れ、研修会の充実を図っていくと述べた。
 次いで、医学会雑誌「大阪医学」への投稿論文の中から、竺原俊光氏(大阪府内科医会)らによる「心不全パンデミック時代の地域連携の構築を見据えたかかりつけ医における心不全診療の実態調査研究」が府医会長賞に選出され、加納会長代行より表彰状が手交された。
 報告および協議では、6年度の学術活動全般について、荻原俊男氏(府医医学会副会長)、生涯教育関係について福田正博氏(府医生涯教育推進委員会委員長)より報告がなされた。

府医医学教育功労者
星賀氏が特別講演

 阪本栄副会長が座長を務め、本年度の府医医学教育功労者として表彰された星賀正明氏(大阪医科薬科大学医学部内科学講座内科学Ⅲ教室教授)が、「これからの循環器医療:DXとチーム医療の進化」と題して登壇した。星賀氏は、急速な高齢化による、高齢者の心不全の急増を指摘。今後は、急性期治療を効率的に実施するための仕組みづくりが重要になるとし、行政との連携やDX、チーム医療の強化の課題や自院における成功事例などを紹介した。

第56回医療近代化シンポジウムを開催

 第56回医療近代化シンポジウムでは、「消化器疾患診療――最近の進歩」をテーマに、①肝疾患の最新情報と奈良宣言2023(竹原徹郎・大阪大学大学院医学系研究科内科学講座消化器内科学教授)②地域連携を通した膵癌早期発見プロジェクトと膵癌診断の最近の知見(八隅秀二郎・北野病院消化器内科主任部長)③内視鏡診断治療の最新情報――AI診断(石原立・大阪国際がんセンター副院長)――3題の講演が実施され、最新の知見を伝えた。