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TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2025年1月29日 第3097号
大阪府医師会は1月5日午後、大阪市内のホテルで令和7年府医新春互礼会を挙行した。郡市区等医師会長や会員のほか、大阪府選出の国会議員・大阪府議会議員・大阪市会議員、関連団体や行政関係者など約380人が集い、新年を寿ぎ、交流を深めた。
府医役員がステージ前に整列し、栗山隆信理事の司会で始まった。はじめに、加納康至会長が登壇。参集者に謝辞を述べた。今年の干支に触れ、乙巳(きのとみ)の年は、「努力を重ねて安定する」とされ、「長年鬱々と思い悩んでいた事変が急変し得る」という解釈もあると語り、今年の行方に期待を寄せた。また、ギリシャ神話の医学の神であるアスクレピオスの杖に巻き付いたヘビや日本医師会のシンボルマークを引き合いに、医療従事者に所縁のある年だと語った。
自身が1月1日より新たに会長に就任したことも報告。中尾正俊前会長が掲げた、▽地域医療体制の充実▽丁寧な医療DXの提案▽広報活動の強化▽風通しの良い組織運営――の4つの柱を引き継ぎ、役員と職員が一致団結して会務を運営すると力を込めた。
さらに、昨年の医療を巡る話題を振り返り、診療報酬改定や人件費・物価の高騰、円安による医療機関運営の厳しさに言及した。「医療は社会の基本を支えるもの」とし、医療者の責任の重さを強調。患者や地域行政の期待に応えられるよう研鑽する必要性を語るとともに、医療提供者側が経済的な理由により職務を全うできない事態に陥らないよう努めると誓い、さらなる協力を呼びかけた。
吉村洋文・大阪府知事(渡邉繁樹・副知事代読)と横山英幸・大阪市長(山本剛史・副市長代読)からの祝辞の後、大阪府三師会を代表して深田拓司・大阪府歯科医師会長があいさつ。大阪の三師会は全国的にも珍しく毎月会長会議を開催しており、今年も緊密に連携していくと述べた。
吉村洋文・大阪府知事(渡邉繁樹・副知事代読)は、大阪・関西万博に向けた支援に謝意を述べた。また、万博を契機とするライフサイエンス分野の研究や次世代ヘルスケアの推進を加速化させる意向を示した。
横山英幸・大阪市長(山本剛史・副市長代読)も、大阪・関西万博においては世界に向けて大阪の魅力を広く発信したいと力を込めた。大阪ヘルスケアパビリオンの出展を明かし、成功に向けてさらなる理解と協力を訴えた。
羽生田たかし・参議院議員は、今年の干支であるヘビになぞらえ、「加納新会長の下で新たに脱皮し、今まで以上の発展をとげてほしい」とエールを送った。自見はなこ・参議院議員は、昨年末に財務大臣・厚生労働大臣・内閣府特命大臣へ緊急申し入れを行ったことを明かし、医療財源が充実するよう職務を果たしていくと力を込めた。
次いで、国会議員が各政党別に登壇し、代表者が祝辞を述べた。
祝宴に先立ち、茂松茂人・日医副会長が登壇した。物価・賃金・光熱費の高騰による病院の経営難や医師偏在対策に言及。厳しい状況の中でも、地域医療をしっかりと守ることが重要だと説いた。
引き続き、乾英夫・大阪府薬剤師会長の乾杯で祝宴に移行。新年の門出を祝った。
閉会のあいさつで澤芳樹副会長が、今年は加納会長を中心に一致団結して新しい府医が船出すると言明。一層の支援を要請し、締めくくった。