
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2025年1月15日 第3096号
令和6年度「医師会あすか会」が11月9日午後、大阪市内のホテルで開かれた。同会は、南河内ブロックの医師会(富田林・河内長野市・松原市・羽曳野市・藤井寺市・大阪狭山市)と柏原市・八尾市医師会で構成。今年度は八尾市医師会(貴島秀樹会長)の主務で講演会および懇親会が行われ、会員ら約80人が参加した。
吉田裕彦・八尾市医師会副会長の司会で開会し、はじめに貴島・同市医師会長があいさつ。4月から第8次医療計画が始まり、「治し支える」医療へと移る中で、「包括的な医療提供体制が一層重要になる」と述べた。そして、あすか会が今まで以上に連携し、地域医療を推進したいと力を込めた。
続いて、北村明彦氏(八尾市保健所長兼健康まちづくり科学センター総長)が、「人生100年時代の健康法」と題して講演した。まず、北村氏が大阪府立成人病センター疫学研究グループで1968年に実施した脳卒中対策に言及。当時は集団検診の概念はなく、研究に後ろ向きな要素もあったが、「治療を地元の医師にお願いしたい」との趣旨に賛意が得られ、対策が進んだと述べた。
次いで、健康寿命に触れ、群馬県草津町の疫学調査を提示。「フレイルは要介護リスクが2倍になっていた」と明かし、予防対策の重要性を説いた。
八尾市のフレイル対策も解説した。適切な栄養に加えて、「外出と社会参加」がカギとし、同市で実施している「公園てくてく健康づくり」を説示。公園間のウォーキングに公園内の器具を利用した運動やストレッチをプラスし、健康づくりに役立てているとした。さらに地域通貨を活用することで、継続しやすい環境づくりを工夫したと加えた。
その後の懇親会では、加納康至・大阪府医師会長代行が来賓あいさつ。地域に寄り添った活動に敬意を表した。また、中尾正俊先生の急逝にも触れ、遺志を引き継いで会務を執行したいと語った。武田温裕・八尾市医師会監事による献杯の発声で歓談へと移り、参加者らは懇親を深めた。最後に、次回当番の児嶌晃・富田林医師会長よりあいさつで閉会となった。