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医師・医療関係者のみなさまへ

12月度郡市区等医師会長協議会

府医ニュース

2025年1月15日 第3096号

 12月度郡市区等医師会長協議会(令和6年度第9回)が12月20日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は加納康至会長代行(当時)あいさつ(要旨)。

 令和6年12月15日に行われた「故中尾正俊先生を偲ぶ会」には700人近い方の来臨があった。会長先生方も多数お越しくださり、感謝申し上げたい。全国各地から大勢の方がお別れに来られたのは、ひとえに中尾先生のお人柄だと思う。中尾先生の存在の大きさを改めて知り、中尾先生が描かれた府医、大阪府の医療を前に進めることを強く決意した。
 会長代行として会務を担ってきたが、昨日開かれた第329回府医臨時代議員会において、府医会長に選任・選定いただいた。これからは府医会員1万7千人の先頭に立って大阪府民の健康を支えていく覚悟だ。先生方のご支援、ご協力をお願いしたい。
 ご承知のとおり、昨今の医療情勢は非常に厳しくなっている。財政制度等審議会の「秋の建議」では、地域別診療報酬や医師偏在における過度な規制的手法が明示された。経済財政諮問会議においても、相変わらず社会保障費の実質的な増加を、高齢化による増加分に相当する伸びに収めるよう主張するなど、医療費抑制や医療提供体制の見直しといった圧力が日増しに強くなっている。
 そのような中で12月10日に厚生労働省の新たな地域医療構想等に関する検討会が、医師偏在是正や新たな地域医療構想に関する取りまとめ案を了承した。このうち医師偏在是正については、日本医師会も概ね評価している。また日医は、医師が不足しているかどうかにかかわらず、地域医療を面で支える機能の充実が重要との見解を示しており、我々もその方向で議論が進むように注視していかなければならない。この取りまとめが了承されたことで、新たな地域医療構想の議論が本格的に進む。府医としても、地域の医療ニーズや実情をしっかりと把握し、行政や関係各所と連携しながら現実に即した医療提供体制が構築できるよう、全力で議論していく。会長先生方には、日頃より地域医療の最前線で力を尽くされており、その経験や知見を共有しながら、地域の実情に即した体制づくりに取り組んでいただきたい。
 私の会長就任は1月1日からとなるが、中尾先生が掲げられた4つの柱をしっかりと受け継ぎ、会務運営に取り組みたい。会員目線で医師会の果たすべき役割を常に考え、医療政策の立案や表明、働きかけを続ける。そして、会員が安心安全に診療を続けられるよう尽力するとともに、患者が安心して医療を受けられる環境づくりに努めていく。今後もご指導ご鞭撻をお願いしたい。