TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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将棋部だより
府医ニュース
2024年12月18日 第3093号
11月17日に今年最後の例会を、大阪市中央区谷町の大阪府社会福祉会館で開催した。秋の花がまだ咲いていたので、三橋鷹女(たかじょ)さんの「白露や死んでゆく日も帯締めて」を思い出した。勝っても負けても、凛とした態度を保ちたいものだ。
紫式部の娘である大弐(だいに)の三位(さんみ)は、「山の端は名のみなりけり見る人の心にぞ入る冬の夜の月」と詠んだ。彼女は心で風景を見た。我々のように戦う者も、心で局面を見る必要があろう。「目の付けやうは大きに広く付くる目なり。遠き所を近く見、近き所を遠く見る事、兵法の専なり」と宮本武蔵が言ったのも、心眼で見よという意味だったのであろう。
参加者は9人だった。難しい局面で妙手が指されたケースが多かった。前回に続き、長い間辛苦に耐えた者達が好手順を着想できた。実戦経験を積み重ねたことによって、局面を心で見ることができるようになったからだ。3勝1敗者が4人で、規定により柿原三段(堺市)が優勝、佐野五段(豊中市)が2位、伊藤五段(野崎徳洲会病院/大東市)が3位になった。柿原は長足の進歩を遂げ、佐野は飛車を捨ててから間断のない寄せ手順で大敵を破った。両者共に今までになかった冴えた直感力が働いたようだった。
他の参加者は、手島七段(和泉市)、東森五段(平野区)、濱田五段(東住吉区)、青谷三段(高槻市)、準会員四段、準会員二段だった。
死期を悟った藤原道長は、「言(こと)の葉も絶えぬべきかな世の中に頼む方(かた)なきもみぢ葉の身は」と詠み、娘の彰子に贈った。「絶対権力者の自分も紅葉のようにはかなく散る」と伝えたのである。無常の世で、我々は将棋を指す。そして明るく楽しく生きるのである。
入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニックの手島(電話0725―56―2727)までご連絡ください。
報告 手島 愛雄(和泉市)