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医師・医療関係者のみなさまへ

府医創立77周年 記念式典・懇親会

府医ニュース

2024年12月18日 第3093号

会員と一丸となり難局を乗り越える

 大阪府医師会は11月3日午前、大阪市内のホテルで創立77周年記念式典および懇親会を挙行。府医歴代役員・郡市区等医師会役員・功労会員など約140人が参集した。

 式典は栗山隆信理事の司会で開会。阪本栄副会長の開式の辞で幕が開け、加納康至会長代行が式辞を述べた。はじめに、中尾正俊会長の逝去(10月16日)が伝えられ、哀悼の意を表し、黙祷が捧げられた。府医は昭和22年に新生医師会として創立され、77周年を迎える。加納会長代行は、歴代会長や役員、会員の尽力に謝意を表した。また、10月の衆議院議員選挙の結果に触れ、医療界は今後ますます厳しい状況になることが予想されると憂慮。昨今の物価高騰の影響もあり、大阪府の病院経営は非常に深刻な局面を迎えているとし、会員が一致団結してこの難局を乗り越えていかなければならないと訴えた。
 引き続き、令和6年度医学教育功労者・保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞・日本医師会最高優功賞受賞記念大阪府医師会長賞の表彰が行われた(別掲)。功労会員として白寿会員23人、米寿会員76人、長期在任の府医裁定委員・役員・代議員・各種委員会委員などに加納会長代行から感謝状が贈呈されたほか、永年勤続府医職員が表彰された。最後に被表彰者を代表し、星賀正明氏が登壇。今回の表彰を励みに今後も府医の発展に尽力すると謝辞を述べた。
 閉式にあたり宮川松剛副会長が、会務遂行に向けて府医執行部は一丸となって活動していくとし、一層の支援・協力を要請した。

民意受け止める
懇親会で自見氏

 懇親会では、前内閣府特命担当大臣の自見はなこ参議院議員が来賓あいさつ。石破茂新総裁による自民党政権下で行われた衆議院議員選挙を振り返った。今回の選挙での民意をしっかりと受け止め、自民党の役割を再確認して行動していく必要があると語った。
 その後、岡原猛府医代議員会議長による献杯の発声で歓談に移り、参加者は親睦を深めた。閉会の辞は、茂松茂人・日医副会長が務めた。

健老会 5年ぶりに開催
諸先輩方が築いた伝統を受け継ぐ

 別会場で開かれた「健老会」は、森口久子理事の司会で始まり、健老会員240人が出席した。和やかなムードの中、旧交を温めた。
 冒頭のあいさつで加納会長代行は、新型コロナウイルス感染症の影響で開催を見合わせていたが、今回は「5年ぶりの開催」と説明。また、この一年の出来事を振り返るとともに、今後も諸先輩方が築いた伝統を受け継ぎながら、府医の役割を果たしていきたいと意気込みを語った。続いて、本年春と秋の叙勲褒章受章者が紹介され、森口理事・澤井貞子理事・清水智之理事より花束が贈呈された。また、健老会出席者で最高齢の前田慶子氏(生野区)にも花束が贈られ、大きな拍手に包まれた。

健老会

 大阪府医師会の発展は先人の努力との観点から、満70歳以上の会員を敬うため、昭和25年に「敬老会」として発足。55年に現在の「健老会」に名称を変更し、今日まで開催を続けている。11月3日時点での健老会員は3785人。

表彰者・団体の紹介

○医学教育功労者
星賀正明氏(大阪医科薬科大学医学部内科学教室Ⅲ・循環器内科教授/大阪医科薬科大学病院副院長)
 昭和60年に大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)卒業、第一内科に入局。平成5年に医学博士の学位取得後、米国ワシントン大学(シアトル)病理学血管生物研究所に留学。帰国後、大阪医科大学内科学講座助手、講師、准教授、内科学教室Ⅲ(循環器内科)専門教授を歴任。現在、同大学病院副院長と医療総合管理部長を兼任。
 専門は循環器内科学。特に動脈硬化の分野において重要な業績を上げる。25年以上にわたり地域の小中学生を対象にした学校心臓検診にも尽力。大阪府医師会理事、日本医師会勤務医委員会および生涯教育委員会の委員を務めた。大阪府立学校心臓検診連絡協議会長として、大阪府全域での心臓検診の普及と情報共有システムの構築にも尽力している。

○保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞
河内医師会訪問看護ステーション(代表者:佐堀彰彦氏)
 平成6年10月に開設され、今年で創立30周年を迎える。11年には訪問看護ステーション鴻池、翌年からの介護保険制度開始を見据えたケアプランセンターを併設。
 医師会立であることを常に意識し、会員のニーズに資するよう、スタッフ教育や数々の事業運営を行い、積極的に在宅医療・介護連携の推進、多職種連携を行っている。現在は、当該地域の在宅医療・介護連携支援コーディネーターや認知症初期集中支援チームの一員としての活動にも携わっている。今後は、機能強化型訪問看護ステーションを目指し、一層の充実を図っていく。

○日本医師会最高優功賞受賞記念大阪府医師会長賞
阪大微生物病研究会(理事長:米田悦啓氏)
 大阪大学細菌学・谷口腆二博士が感染症に関する研究機関の設立に奔走し、昭和9年に山口玄洞氏の篤志を基金に、財団法人として誕生。微生物病の基礎研究は、大阪大学微生物病研究所が行い、応用研究とワクチン等の製造・供給、検査を財団が担う画期的な大学発ベンチャーを実現した。
 BIKEN財団は感染症パンデミックの経験を踏まえ、国産ワクチンを開発・生産できる日本を代表するワクチンメーカーであり、また大阪府内の公衆衛生向上を目指した登録衛生検査所として、地域からも信頼が厚く今後益々の期待が寄せられる。