TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年12月4日 第3092号
大阪府女医会(藤谷宏子会長)は10月26日午後、大阪市内で第18回「秋の学術講演会」を開催。ウェブとの併用で実施し、会場と合わせて約50人が聴講した。
冒頭、藤谷・女医会長は、中尾正俊・大阪府医師会長の急逝に哀悼の意を表した。また、本日の講演会はアレルギーを中心とした構成にしたと言及。日常診療の一助になればと期待を寄せた。
講演では、はじめに竹村豊氏(近畿大学医学部小児科学教室医学部講師)が、「こどものアレルギー最前線――食物アレルギーの診かたとアトピー新薬の使いかた」と題して登壇した。まず、アトピー性皮膚炎を説明。掻痒を伴う特徴的な皮疹が分布し、慢性・反復性経過が見られると述べた。次に、食物アレルギーは、経皮感作が要因の一つとの学説を紹介。発症を予防することが大切だと説き、スキンケアの重要性を挙げた。その上で、治療には患者のアドヒアランスが大きなウェイトを占めると指摘。患者に共感し、「なぜ治療が必要かを考えさせること」がカギになると語った。
引き続き、中嶋千紗氏(同大学医学部皮膚科学教室特命准教授)が、「まるごと結節性痒疹――基本から最新トピックス」と題して講演した。中嶋氏は、結節性痒疹を「かゆみを伴う孤立性丘疹に特徴付けられる反応性皮膚疾患」と定義。原因は様々であるが、ケラチノサイトの異常な活性化や強い線維化反応が見られると述べた。治療としては、ステロイド外用薬の塗布、抗ヒスタミン投与、紫外線療法などを提示するも、難治性であると加えた。最後に、自身が勤務する近大病院での治療例を紹介。デュピルマブの皮下投与で劇的に改善した例を挙げ、同剤への期待感を示した。