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医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース

2024年12月4日 第3092号

 ◆旅先での病気や怪我、ましてそれが異国であればその不安は尚更である。年々増加し多国籍化する在留・訪日外国人にとっても同じであろう。
 ◆国は外国人患者に対して安心・安全な医療を提供する体制整備を急務とし、「外国人患者受入のための医療機関向けマニュアル」を作成している。体制整備が進んでいる医療機関は「外国人患者受入れ医療機関認証制度」で認証されるが、大阪では10医療機関のみで全国的にもまだまだ少ない。
 ◆医師法では、外国人患者に対しても応招義務が適用される。しかし、診療所での受け入れとなれば課題が多い。言語問題があれば受付から滞り、診療も多言語翻訳ツールを用いるなどして対応するが、通常の数倍の時間と労力を要する。理解が及ばなければトラブルの危険性も高く、医療費の未払いなど診療側の不安は拭えない。
 ◆大阪では大阪・関西万博を間近に、外国人診療体制整備のさらなる推進が急がれるが、同時に医療現場が不利益を被らない、安心して診療ができるバックアップ体制も求められる。(誠)