TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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本日休診
府医ニュース
2024年11月27日 第3091号
小学校の内科学校医をしています。
毎年新学期の健診の時は、児童に上半身脱衣してもらって行ってきました。衝立で囲って他の児童からは見えないようにした中でさらに脱衣、診察、着衣のスペースを衝立で区切り、衝立の中には、女性医師である私と養護教諭以外は、男女を問わず担任教諭も入りません。また、健診は男女別に行っています。
上半身脱衣としている理由は、主には軽度の脊柱側弯を見逃さないためです。脊柱の異常の有無のチェックは学校健診の必須項目となっています。
このように健診していると、統計を取ったわけではありませんが、軽度の側弯と思われる児童は毎年各クラスに複数います。内科医である私は、どの程度以上なら整形外科への受診を勧めるか悩みます。軽度で進行しなければ治療の必要はありませんが、進行するかしないかは、整形外科医を受診して診断や経過観察をしてもらわなければ分かりません。
混みあっているであろう整形外科への受診は、児童にも保護者にも負担になるだろうとも思いますが、見逃すよりは良いと思って、軽度でも疑わしければ受診勧奨としています。
受診結果は、「経過観察」になることが最も多いですが、「異常なし」のこともあり、一方一部はさらに病院の専門医へ紹介されることもあります。
近年、学校健診での脱衣が問題とされるようになっています。私の担当校では、学校側の協力もあり、健診はスムーズに進み、保護者からも特に意見は寄せられていないとのことです。しかし、正確な健診と児童生徒のプライバシーや心情への配慮をどう両立させるのか、そもそも学校健診にどれだけの精度を求めるのか、何らかの統一した指針が欲しいところです。(瞳)