TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年11月6日 第3089号
旭区医師会は10月9日午後、同区民センターで「区民のための健康相談会」を開催。「長寿の秘訣」をテーマに講演会と健康相談を実施し、近隣住民ら75人が参加した。
冒頭、村上仁志・同区医師会副会長はあいさつで、「本催しは、病気の重症化予防や機能回復の重要性を伝えることで、区民の健康意識の啓発・向上を図ることが目的」と説明。相談会もあわせて有意義な時間にしてほしいと語った。
引き続き、島田健永氏(しまだ循環器・糖尿病内科クリニック院長)が、「健康長寿の秘訣」と題して講演した。健康に長生きするには、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子の活性化が重要だと強調。そのために最も手軽な方法はカロリー制限であり、食べ過ぎは要注意だと伝えた。
さらに、福岡県の久山町研究を基に、若年層で脂肪肝や隠れメタボが広がっていると指摘。年齢を問わず過食傾向の人は注意するよう促した。加えて、トランス脂肪酸にも気を付けてほしいと説示。動脈硬化を促進させる要因の一つであり、特に冷凍食品を電子レンジで繰り返し温めることはトランス脂肪酸を増加させると警鐘を鳴らした。
健康長寿を保つためには、茶葉やポリフェノール、ウナギやクジラ等のEPA(エイコサペンタエン酸)を含む食べ物が効果的であると紹介した。あわせて、血管を守ることも健康で長生きにつながると言及。自身の研究から、ラベンダーの香りで血管保護の効果が期待できると加えた。
最後に食べ過ぎを避け、カロリー制限と運動をすることが最も簡単で有効と述べ、健康的な生活習慣の大切さを説いた。
講演後には、各科の会員が出務し、「総合医療なんでも相談会」を開催。相談に対して会員が丁寧に回答し、多くの区民が健康への理解を深めていた。