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府医ニュース

2024年11月6日 第3089号

 ◆今年のノーベル賞は人工知能(AI)研究が史上初めて、さらに物理学賞と化学賞のダブル受賞で大きな注目を浴びた。物理学賞は「人工ニューラルネットワークを使った連想記憶モデルの開発」、化学賞は「ディープラーニングによるタンパク質の設計およびタンパク質の構造予測」に対して授与された。学術研究形態の転換を象徴する画期的な受賞といえる。
 ◆AIは医療現場にも広く浸透してきている。CTやMRI等のAI画像診断や胃、食道、大腸のがん領域を高精度に検出する内視鏡AIはすでに実用化され、臨床検査部門でのAI技術が先行する。
 ◆チャットGPTはすでに米国の医師免許試験で、また昨年は日本の医師国家試験でも合格点を上回り、AIの診断能力の高さが証明されている。現在、医師に代わる会話型医療AIの開発まで進んでいる。
 ◆現時点ではまだ医療AIに課題が残されるものの、AI技術の進歩は急速で止められない。高を括っている間に、外来診療までAIに席巻されるのも決して絵空事ではないのかもしれない。(誠)