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府医ニュース
2024年10月30日 第3088号
河内医師会(佐堀彰彦会長)は9月14日午後、布施医師会・枚岡医師会との共催で、「東大阪市民健康シンポジウム」を同市内で開催した。「甘くみてはいけない糖尿病と腎臓病(CKD)」をテーマに3題の講演を実施したほか、元阪神タイガース投手の岩田稔氏による特別講演を企画。約170人の市民が参加した。
はじめに佐堀・河内医師会長があいさつ。腎臓病と糖尿病は深く関連することから、今回のテーマに取り上げたと述べた。そして、本日の講演を参考に、早期受診、早期治療を心がけてほしいと呼びかけた。続いて、野田義和・東大阪市長が登壇。かかりつけ医師・歯科医師・薬剤師を持ち、健康長寿に向けた「努力」を続けてほしいと語った。
佐伯邦雄氏(森本記念クリニック院長)が、「糖尿病」について講演。発症のメカニズムを解説し、1型と2型糖尿病の違いを説明した。あわせて症状、合併症、検査、治療法などを詳説。特に2型糖尿病における▽食事療法▽運動療法▽薬物療法――に関して具体的な治療法を示した。その上で、多職種や家族と協力しながら、適切に治療を進めることが大切と結んだ。
水井理之氏(大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学准教授)は、「知っておきたい! 隠れた国民病(慢性腎臓病〈CKD〉のこと)」をテーマに腎臓の働きやCKDの診断基準などに触れた。CKDは腎臓の機能が60%未満に低下している状態で、進行により心血管イベントや死亡率が上昇すると指摘。生活習慣を見直し、「腎臓を守ること」が重要と訴えた。
西谷恵美子氏(河内医師会訪問看護ステーション鴻池)は、「在宅での糖尿病の看護・介護の実際」として、実例を交えて訪問看護を紹介した。特に認知症の糖尿病患者には、薬のコントロールのほかにもフットケアなども大事になるとし、困った際には訪問看護ステーションに相談してほしいと促した。
元阪神タイガース投手で、現在は1型糖尿病の啓発活動を続ける岩田稔氏が、「1型糖尿病を知っていますか?」と題して特別講演を行った。高校時代に1型糖尿病を発症し、進路で悩みながらもプロ野球選手として活動した軌跡を振り返り、主治医や家族、周囲の支えに感謝を語った。