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医師・医療関係者のみなさまへ

主治医意見書作成に関する説明会

府医ニュース

2024年10月30日 第3088号

主治医意見書問診票の活用を促す

 大阪府医師会・大阪府・大阪市が主催する令和6年度第1回主治医意見書作成に関する説明会が9月14日午後、府医会館で開催され、会員をはじめ医療福祉従事者ら約200人が参加した。

 林正則氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員)が座長を務め、冒頭、前川たかし理事があいさつ。前川理事は、主治医意見書が果たす役割の重要性を強調し、申請者の状態や介護の手間など具体的な記載が求められると指摘した。また、勤務医が意見書を作成する機会も増加していると述べ、「主治医意見書問診票」や「主治医意見書への理解促進動画」の活用を促した。
 講演では、まず「介護保険制度における主治医意見書の役割」と題して、鈴木知津氏(大阪府福祉部高齢介護室介護支援課利用者支援グループ課長補佐)が登壇。大阪府の高齢化の推移や要介護認定の現状などを示したほか、要介護認定の適正化に向けた大阪府の取り組みを紹介した。その上で、主治医意見書の役割を解説し、「読み手のニーズを踏まえた書き方のポイント」を提示。利用者ができるだけ早く介護サービスを利用することができるよう意見書の早期提出が求められるとして協力を呼びかけた。

介護の手間(時間)をものさしに評価

 次に、坂上里絵氏(大阪市福祉局高齢者施策部介護保険課担当係長)が、「要介護認定における審査判定」について講演した。坂上氏は、「要介護認定は、『心身の重篤さ』や『能力』ではなく、『介護の手間(時間)』をものさしとした評価指標」と前置き。介護の手間に影響する項目を抽出したものが「基本調査項目(74項目)」であると述べ、審査手順を提示しつつ、介護認定審査会で議論となるポイントなどを詳述した。
 最後に、「主治医意見書記入の留意点」を辻毅嗣氏(豊中市医師会長)が解説。辻氏は、「主治医意見書の作成は主治医の義務」と言明し、迅速な提出と正確かつ充実した記載が求められるとした。また、病院医師を対象とした実態調査を報告したほか、意見書の項目ごとに記入の留意点を伝達。意見書の効率的な作成のため、主治医意見書問診票のさらなる周知を図る必要があるとまとめた。