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府医ニュース

2024年10月30日 第3088号

 ◆秋田男鹿に、なまはげ館・男鹿真山伝承館を訪ねた。曲がり屋古民家の座敷で、怖ろし気な面とわら蓑を揺らし、野太い声のなまはげ。
 ◆元来は、大晦日だけに現れ、地元住民だけが触れたなまはげを、伝承館で常時公演している。1年に1度しか機会がなかった舞手に、舞う場と機会を増す。受け継ぐ人を増す。古くからの伝統を未来へ引き継ぐためのまさに伝承館である。
 ◆神事や祭事は、疫病や災害から人々を守る尊い祈りとして地域毎大切にされてきた。保健や防災が進歩し、地域社会が変貌する。民俗事業の意義が、祈りから伝統芸能へと変わり、対象が広がることは必然であろう。ただ、祈りの原点を見失ってほしくはない。
 ◆DX化による医療情報インフラの進化が目覚ましい。社会の変貌が民俗事業を伝統芸能に変えたように、医療情報の意義も変わる。プラットフォームはまさに公演に等しい。見失ってはならない事を考えたい。なまはげが蓑から落としたわらを男鹿から持ち帰った。家内安全のお守りと伝えられている。(翔)