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医師・医療関係者のみなさまへ

令和6年度七石会総会

府医ニュース

2024年10月16日 第3087号

茂松・日医副会長が特別講演

 令和6年度七石会総会が8月24日夕刻、堺市内のホテルで開かれた。本会は堺市医師会と泉州地域ブロック6医師会(岸和田市・貝塚市・泉佐野泉南・泉大津市・和泉市・高石市)で構成される。今回は高石市医師会(矢田克嗣会長)の主務で行われ、各医師会役員ら約100人が一堂に会した。

 山田明史・同医師会理事の司会で開会し、はじめに矢田・同医師会長があいさつ。同氏は大阪公立大学硬式テニス部OB会長を務めており、先の西日本医科学生総合体育大会で母校が好成績を収めたと報告した。その中で後輩達の戦術やあきらめない姿勢に感銘を受けたと述懐。医師になった姿を思い浮かべ、「粘り強く患者に寄り添えるだろう」と語った。そして、次世代が育っており、誇らしく思うと今後の活躍に期待を寄せた。
 この日は、大阪府医師会から中尾正俊会長、加納康至・阪本栄・宮川松剛各副会長が招かれた。中尾会長は来賓あいさつの中で、新型コロナウイルス感染症に言及。経済的負担から検査や抗ウイルス薬を拒否する患者も見受けられることもあり、患者の負担軽減を求めていきたいとの姿勢を表した。また、経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2024や財政制度等審議会の「建議」に触れ、注意が必要だと強調。誤った施策には明確に反対していくと力を込めた。

医師偏在対策、1千億円規模の基金で

 特別講演では、茂松茂人・日本医師会副会長が、「日本の医療の現状と、将来の見通しについて」と題して登壇した。まず、医療政策においては骨太の方針や建議が大きな影響力を持つと言明。これまでの日医の対応を振り返った。特に、医師偏在対策においては、「1千億円規模の基金を創設して施策を進めるべき」との日医の考えを伝えるとともに、先手で対応を考えていると加えた。
 かかりつけ医機能では、明確に登録制・人頭払を否定した。日医は医療法で規定する「1号機能」について、多くの医療機関の手挙げが大切とする一方、「医師の研鑽も重要になる」との見方を示した。
 そのほか、▽令和6年度診療報酬改定▽医療DX▽組織強化対策▽JMAT活動――などで日医の姿勢を明らかにした。
 最後に、次期当番医師会の岡原和弘・堺市医師会長が、次回総会への抱負を語った。閉会に際しては吉村文一・高石市医師会副会長が、茂松・日医副会長の講演から国と日医との厳しい交渉が垣間見えたと謝意を伝えた。