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医師・医療関係者のみなさまへ
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将棋部だより
府医ニュース
2024年10月16日 第3087号
9月15日に今年5回目の例会を、大阪市中央区谷町の大阪府社会福祉会館で開催した。すでに中秋で、「行き行きて倒れ伏すとも萩の原」という曽良(そら)の句を思い出した。蒸し暑かったが、対局という修行の場に赴いた。
「なんとなく君に待たるる心地して花野に出れば夕月夜かな」と詠んだ与謝野晶子は、恋することによって自然界の美しさを知った。我々は将棋で戦うことによって別天地を発見した。考えることの楽しさを知った。知の格闘技は人を救うのである。
参加者は11人だった。熱戦が多かった。難しい局面ではいくら考えても読み切れるものではない。濃い霧の中を進むような状況で大切なのは勇気だ。勝敗を天に委ねて1歩踏み出す気力が必要だ。そう思わせるもつれた局面が、この日にはよく現れた。
剛腕を振るい、かつ慎重でもあった青谷三段(高槻市)が全勝優勝を果たした。3勝1敗者の中で、規程により佐野五段(豊中市)が2位、伊藤五段(野崎徳洲会病院/大東市)が3位になった。青谷と佐野は長い間の努力が実を結んだといえる勝ち方をした。本人達も大いに喜んだ。他の参加者は手島七段(和泉市)、松村六段(池田病院/東大阪市)、東森五段(平野区)、濱田五段(東住吉区)、西村三段(四條畷市)、柿原三段(堺市)、準会員四段、準会員二段だった。
光源氏を恋した六条御息所(みやすんどころ)は、「袖ぬるるこひぢとかつは知りながら下り立つ田子のみづからぞうき」と詠んだ。自らの感情を制御できず、底無しの泥沼に沈み込んでゆくかのような苦しみを技巧豊かに歌った。苦しい恋は彼女の知性を磨き、心を深めて創造力を高めた。我々もしばしば苦悩の海に沈む。それでも勇気を奮って進むのである。
入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニックの手島(電話0725―56―2727)までご連絡ください。
報告 手島 愛雄(和泉市)