TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年10月16日 第3087号
大阪府医師会は9月13日午後、府医会館で第2回学校保健講習会を開催。ウェブ配信も行われ、学校医や学校関係者ら約500人が受講した。
冒頭、森口久子・学校医部会副部会長(府医理事)があいさつ。子ども達が安全に野外で過ごすことの難しさに触れ、手近なインターネット・ゲームの使用を適切にコントロールする必要性を強調。また新学期を迎え、子ども達の予期せぬ重大事故の発生を憂慮し、本講習が日頃の学校活動に役立つことに期待を寄せた。
まず、福田弥一郎氏(同部会副部会長)が座長を務め、樋口進氏(国立病院機構久里浜医療センター名誉院長・顧問)が、「若者のネット・ゲーム依存の現状と課題」について講演した。
樋口氏は、はじめにゲーム依存を「日々の生活でゲームが最優先」の状態と定義。スマートフォンを使用した対戦型オンラインゲームは、依存性が最も高いと言及した。また、近年同センターを受診した約5人に1人が12歳以下だと報告。若年者の治療はエビデンスの少なさや理解力の乏しさから困難と指摘し、予防を推奨した。特に使用の時間・場所・金額を決めて家族が模範を示すことが重要だとの見解を示した。加えて、ワークショップや個人指導、親の対応におけるポイントを伝えた。また、本人が問題を自覚している場合も多く、改善にはゲームの時間を学校や塾、人付き合いなどに自ら置き換えていけるよう支援することが大切だと述べた。
続いて森口理事を座長に、工藤保氏(日本スポーツ振興センター災害共済給付事業部大阪業務推進課長)が「学校での事故を減らすために」と題して登壇した。
工藤氏はまず、災害共済給付の変遷や業務を概説し、事故防止に有用な情報発信ツールを紹介した。さらに学校などで事故が起こりやすい場面やけがの種類を提示し、事例を用いて発生状況を詳しく考察した。加えて熱中症を取り上げ、月別・時間帯別に好発時期を確認。発症の75%が部活動や体育など運動中だが、運動をしていないタイミングも油断をしないようアドバイスした。