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医師・医療関係者のみなさまへ

第2回周産期医療研修会

府医ニュース

2024年10月2日 第3086号

適切なCTGの判読伝える

 大阪府医師会・大阪産婦人科医会共催による周産期医療研修会が7月6日午後、府医会館で行われた。本研修会は年4回開催しており、第2回となる今回は「CTG(胎児心拍数陣痛図)の判読」をテーマに掲げ、ウェブとの併用で実施。約420人が聴講した。
 はじめに笠原幹司理事があいさつ。まず、大阪府の周産期医療は産婦人科診療相互援助システム(OGCS)、新生児診療相互援助システム(NMCS)により高いレベルで運用されているとし、関係者へ謝意を表した。また、近年の大阪府における新生児の死亡率に触れ、CTGの判読を改めて学ぶことで安全な出産につなげてほしいと述べた。
 吉松淳氏(国立循環器病研究センター産婦人科部長)および南宏尚氏(愛仁会高槻病院小児周産期系統括部長)が座長を務め、2題の講演が行われた。最初に谷口武氏(大阪産婦人科医会医療安全部理事/谷口病院長)が、「大阪の医療安全 最近の動向」と題して産科を巡る医療紛争事案を解説した。医療訴訟は減少傾向も、近年は産科関連の訴訟件数が増えていると指摘。CTGの判読に関する争いが増えていることからも適切な判読が求められていると注意を促した。その上で架空の事例を引用しながら、CTGの判読を含めた対応を説示した。
 次いで、中井章人氏(日本産婦人科医会副会長/恩恵財団母子愛育会総合母子保健センター愛育産後ケア子育てステーション所長)が、「CTGの判読――基本的な理解と解釈の応用」と題して講演した。中井氏はCTGを「胎児と医療者をつなぐ唯一のツール」と強調。胎児心拍数を正確に見極めることで、低酸素状態なのかを確認できると語った。また誤読や判断が難しい図を示し、留意点を詳説。最後に脳性麻痺事例を基にテスト形式で講義内容を確認した。