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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年9月25日 第3085号
大阪府警察医会(藤江博会長)は7月6日午後、大阪府医師協同組合本部8階で通常総会および学術講演会を開催した。約30人が出席した総会では、新役員を選任。あわせて令和6年度事業計画および予算が承認された。
総会は和田正彦氏(同医会副会長)の司会で進行し、はじめに藤江・警察医会長があいさつ。能登半島地震での警察医の活動に触れ、さらなる連携を深める必要性を指摘。災害はいつ発生するか分からないとし、大阪府医師会、大阪府警察等との協力関係を構築したいと述べた。
引き続き、馬渕洋一氏(同医会副会長)が、5年度会務および決算を報告した。
次期会長選挙では、前月の役員会で藤江氏の推薦が決定しており、ほかに立候補者がなかったため、同氏が再選された。その後、会長が副会長・理事を指名し、今期の役員が選任された。任期は2年後の通常総会終結の時まで。
学術講演会には、中尾正俊・府医会長、宮川松剛・同副会長が来賓として出席。中尾会長があいさつし、同医会の地域に密着した活動に敬意を表した。中尾会長は、多死社会となり、「独居高齢者の死亡が増えている」と言及。かかりつけ医の死亡診断がなければ「異状死」扱いとなることから、看取りを含めた在宅医療の推進に力を入れたいと語った。また、「骨太の方針」「春の建議」を引き合いに、財政主導の医療を許してはならないと言明。現場の声を日本医師会に伝えたいとして、一層の協力を要請した。
次いで、馬渕氏が座長を務め、鈴木廣一氏(大阪医科薬科大学法医学教室名誉教授)が、「誤審」と題して講演した。はじめに、明らかに異なる死因で裁判が進んでいた体験談を披露。胸腹部の変色斑が「救急隊員による処置」と判断されていたが、自身は「第三者による腹部打撲」と鑑定した経験を振り返った。
その関連で、特異的所見として、「胃内が黒い」解剖例を列挙。典型的な所見に凍死を挙げたほか、▽肝硬変▽頭部外傷に伴う胃出血▽食道静脈瘤――などの解剖事例を紹介した。