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時事

新型コロナワクチン定期接種10月より開始

府医ニュース

2024年9月25日 第3085号

その他の世代の問題点

 新型コロナウイルス感染症の第11波は大阪府全域で30週(7月22日~28日)の定点当たり14.66をピークに33週(8月12日~18日)4.58と減少傾向ではあるが、昨年36週前後に再度の増加がみられたため予断を許さない。
 本紙第3076号(6月26日付)「時の話題」で触れた新型コロナウイルスワクチン定期接種が10月1日から開始される。対象は65歳以上、または60~64歳の「心臓、腎臓または呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害を有する者およびヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する者」となる。期間は10月1日~令和7年3月31日まで、原則1回接種(今回初回接種となる方の2回目の接種は自費)、接種費用1万5300円から国の助成8300円が引かれ7千円、さらに各自治体助成が加わり自己負担は数千円(例:大阪市3千円、東大阪市2千円)となる。以前はインフルエンザワクチンのみ同時接種可能であったが、今回は海外と同様すべてのワクチンと同時接種可能となった。WHOの推奨株を踏まえ「JN.1系統およびその下位系統へのより高い中和抗体を誘導する抗原を含むこと」に対応するワクチンとして薬事承認を受けたものに限られる。メーカー各社が薬事対応を進めており、順次承認されてきたため9月上旬時点での各社特徴を記載する。
 ①ファイザー(コミナティ筋注シリンジ12歳以上用:mRNAワクチン、プレフィルドシリンジ製剤1回分〈10本セット返品可〉、冷蔵8カ月)、②モデルナ(スパイクバックス筋注:mRNAワクチン、バイアル製剤2.5㏄5回分、冷蔵1カ月)、③第一三共(ダイチロナ:国内創製mRNAワクチン、バイアル製剤1.5㏄2回分〈2本入〉、冷蔵7カ月)、④武田薬品(ヌバキソビッド:組み換えタンパク〈不活化〉ワクチン、バイアル製剤1㏄2回分、冷蔵9カ月)、⑤Meiji Seikaファルマ(コスタイベ:本邦初承認self-amplifying mRNA〈レプリコン〉ワクチン、バイアル製剤10㏄溶解16回分、冷蔵1カ月)。
 新規製剤で接種量、接種間隔等以前と変更されているケースがあるため、詳細は承認後の添付文書を参照し誤接種の無いよう注意を要する。使用面では冷蔵保存対応や使用回数が少ないものが求められる。発熱や接種部位疼痛、心筋炎等副反応の問題点はあるが、重症化予防、後遺症軽減等の効果は近年明らかになり、リスクのある方への接種が推奨される。
 また小児年齢層接種率は6年4月1日時点で5~11歳の1回以上接種者は15.8%、3回接種完了者7.7%と他世代に比べ低率であったが、ブレインフォグ等感染後後遺症や小児重症化例も報告され、日本小児科学会は生後6カ月~17歳のすべての小児への新型コロナワクチン接種を推奨している。
 年齢別対応製剤もコミナティ筋注6カ月~4歳3人用(要溶解、冷蔵10週間)、コミナティRTU筋注5~11歳1人用(冷蔵10週間)、スパイクバックス(6カ月以上)、ダイチロナ(12歳以上)、ヌバキソビッド(6歳以上)、コスタイベ(18歳以上)等製剤による違いに注意を要する。
 任意接種に関しては価格面が大きな問題となる。定期接種対象外の小児等初回接種、基礎疾患のある方、医療従事者等への助成があれば今後の流行対策となり得る。接種は任意であるべきだが、希望時には負担少なく接種可能であることが望まれる。(昌)