TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年9月18日 第3084号
8月度郡市区等医師会長協議会(令和6年度第5回)が8月23日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は中尾正俊会長あいさつ(要旨)。
8月8日、宮崎県の日向灘を震源とする震度6弱の地震が発生した。「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発令され、被災の可能性がある地域に注意が促された。8月9日には神奈川県で、8月19日にも茨城県で大きな地震が発生しており、今後も注意が必要だろう。医療機関の災害対応も重要であり、マニュアルの再確認や、非常用電源などを今一度点検し、自然災害に備えてほしい。そして、被害に遭われた皆様方にお見舞い申し上げるとともに、できるだけ早い復興支援を願う。
新型コロナウイルス感染症に関しては、会員の協力により府医独自のサーベイランスを実施している。7月上旬から陽性者数の急増を確認し、7月25日に「新型コロナウイルス感染症に関するシンポジウム」を開いた。京都大学大学院の西浦博教授、関西医科大学の中森靖教授に現状と今後の広がりなどをお話しいただいた。この模様は、テレビニュースや新聞紙面でも大きく取り上げられた。一方で、SNSなどでは、「医師会が煽っている」というような心無いコメントも見受けられたが、毅然とした態度で、適切に正確な情報を発信したいと考えている。
コロナ診療では、金銭的な問題で検査や抗ウイルス薬を拒否されるケースを経験されていると思う。高齢者や基礎疾患がある方の重症化が懸念される。国が費用面を補助し、特に抗ウイルス薬は安い費用で治療が受けられるような状況が必要だと考えている。日本医師会を通じて厚生労働省に要求したい。さらに、医療機関や介護施設の従事者がコロナに感染すると、たちまち医療・介護が逼迫する状況に陥る。医療・介護従事者を対象に、ワクチンの定期接種の公費負担も求めたい。
突然のことで驚かれた方も多いと思うが、8月14日に岸田文雄首相が次期の自民党総裁選に出馬しないと宣言した。状況は不透明であるが、新たな組織への変革を期待したい。本会においても、会務運営方針の一つである事務局改革を進めている。代議員会や会長協議会等でもしばしば話題に上った参与について少し触れたい。新執行部始動の際、私から「今までの経験を若手に伝えてもらえないか」と話をした。しかし、退職の意向が強く、府医を去ることとなった。経験豊富な職員が辞められたが、先ほどの自民党と同じく新たな組織へと生まれ変わる機会と捉え、風通しの良い組織に進化させたいと考えている。あわせて、事務局内に政策立案をサポートするワーキングチームを置く。縦割りではなく、多くの部署が集まって新たなものをつくり上げていく。若手が主体となって一生懸命やっているので、委員会等でご出席された際には、少し厳しめの意見でも結構なので、若手職員が大きく育っていけるようご指導願いたい。
先日、大阪府病院協会、大阪府私立病院協会と府医の三者で取材に応じた。医療DXがクローズアップされ、私からは、「医療機関および患者さんの利便性が高まり、負担が少ないことが必要」と伝えた。初期導入はもちろん、ランニングコストなど財政的な支援が必要だと思っている。全国医療情報プラットフォーム等が進んでいるが、ベンダーによって異なることがないよう働きかけるとともに、誰一人取り残されることのないよう対応を考えたい。引き続きご理解・ご協力をお願いしたい。