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医師・医療関係者のみなさまへ

郡市区等医師会新会長に聞く(3)

府医ニュース

2024年8月28日 第3082号

 令和6年度に就任された郡市区等医師会新会長より、あいさつ・抱負等を寄稿していただきましたので、紹介いたします(順不同)。

大阪大学医師会 土岐 祐一郎 会長

 この度、木村正先生の後任として就任しました。昭和60年阪大卒で専門は消化器外科です。COVID―19のパンデミックの時に大阪大学医学部附属病院長を務めておりました。我々も重症患者の最後の砦として大学病院の資源を最大限に投入しましたが、大阪府医師会の先生方が第一線で踏ん張っていただいたお陰で、大阪の医療崩壊を防ぐことができたと感謝しております。
 さて、今年から医師の働き方改革が始まりました。大学病院の若手はこれまで低賃金で臨床研究に忙殺されていましたが、少しでも改善されることを期待しています。一方で大阪府内の医療を支える医師の派遣を確保することも最優先に考えて皆様にご迷惑をかけないように努めております。そして、来年5月には阪大病院では外来、手術室、各種検査、周産期部門、アイセンターなどを刷新した統合診療棟がスタートいたします。総力をあげて、高度な医療、先進的な医療を特に大阪府内の患者さんに提供できると職員一同今から張り切っております。これからもよろしくお願いいたします。

大阪公立大学医師会 鶴田 大輔 会長

 大阪公立大学医師会の会長を河田則文前会長から引き継ぎました鶴田大輔です。平成4年に大阪市立大学を卒業後、これまで同医学部附属病院をはじめ寺元記念病院、長崎大学、米国ノースウエスタン大学、久留米大学などで勤務や研究を行ってきました。
 我々の大学は令和4年4月に大阪府立大学と大阪市立大学の統合により現在の大学名となりました。医学部は大阪市立大学のみにありましたが、統合により様々な状況変化が起こり、今に至っております。大学としてのスケールは拡大しましたので、このメリットをいかし、医学部のブランド価値を高め、安定した成長を目指したいと思います。具体的にはトランスレーショナルリサーチ、医工獣リハ連携、AI・DXへの対応などです。その他、会議体や人員の見直しに積極的に取り組み、時間の確保を目指します。大学として成長することにより、大阪府医師会に貢献できるよう精一杯がんばります。

豊中市医師会 辻 毅嗣 会長

 この度、飯尾雅彦前会長の後を引き継ぎ会長に就任いたしました辻毅嗣です。本年6月26日の豊中市医師会総会で38年ぶりの選挙となり豊中市医師会員の皆様のあたたかいご支援のおかげで当選を果たすことができました。
 大阪北部に位置し交通網も充実、自然環境豊かな文教・住宅都市にあります当医師会は、こころの通い合う地域医療の充実に努めております。特色を一つ挙げるとすれば多職種連携の会「虹ねっと」。加速する少子高齢化に対して豊中市の実情にあった地域包括ケアシステムの構築の一環です。そこでは医療と介護専用SNS「虹ねっとcom」(Medical Care Station)を活用し市民、多職種そして行政とも情報共有を行っております。病診連携、災害・救急医療、感染症対策、ACP、多死社会、労働力不足やDXなど課題は山積です。性別や年齢によらない医師会活動の充実と次世代にもつながる医師会活動の持続性を実現するために何が必要とされているかを常に意識しつつ、誰一人取り残さないよう精一杯がんばってまいります。
 よろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

和泉市医師会 永田 就三 会長

 この度、和泉市医師会長に就任いたしました永田就三です。理事になり22年、主に検診を担当しておりまして、特定健診から始まり、肺がん検診、ABC検診、胃内視鏡検診を立ち上げ、最近では前心不全(かくれ心不全)の早期発見を目的にBNP測定を市の追加検診として全国で初めて採用されました。これは和泉市の多くの先生方の協力なしではできなかった偉業と自負しています。また、在宅医療介護分野では泉谷良前会長の下、医師会内に和泉市在宅医療介護支援センターを早期より設置し、多職種連携の要として機能しております。第8次大阪府医療計画における在宅医療連携拠点としての医師会での活用を検討しています。
 和泉市医師会の強みは会員の団結力です。会員で構成される医師会は会員を守り、「かかりつけ医」としてのまっとうな医療を思う存分やっていただけるよう支援します。そして、本来の意味での「かかりつけ医」が市民との正当な信頼関係の上で成り立つよう会長として医師会運営を心がける所存です。
 皆様のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

門真市医師会 柏木 直樹 会長

 本年5月25日の定例総会において、門真市医師会の会長をさせていただくことになりました柏木直樹です。
 当会は、昭和42年に河北医師会から分離独立して創立し、今年で57年目を迎えております。現在、当会には5の病院と86の診療所があり、会員数は169人となっております。主な公益事業としては、門真市等の行政から受託している健診等の事業や、多職種とともに進めている医介連携事業等があります。また、共益事業としては、会内に10あるクラブ活動、会員旅行や会員家族従業員レクリエーション等があり、どれも毎回多くの参加者で楽しんでおります。当会は、伝統の和の精神の下、仲の良い医師会と自負しております。今後は、これまでの事業に加えて、大阪府の「在宅医療に必要な連携を担う拠点」に関する事業を門真市と共同で進めてまいります。また、門真市が取り組んでいる「門真市スマートシティ推進事業」におけるPHR分野での協力、現場レベルでの医療に対する評価の適正化、会務の簡素化、より仲の良い医師会の構築なども推し進めていきたいと考えております。
 皆様のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

富田林医師会 児嶌 晃 会長

 本年5月27日の富田林医師会総会で藤岡洋前会長の後を引き継ぎ会長を拝命いたしました児嶌晃です。
 当会は地域医療の充実が何よりも大切と考えて取り組んできました。新型コロナワクチン接種では、行政と連携して全国的にもまれな地区医師会主導での大規模集団接種を実施し、希望者に迅速に接種を行うことができました。また在宅医療では、複数の在宅支援診療所が病床を保持した医療機関とグループを形成し、機能を強化した在宅支援診療所として積極的に活動しています。
 しかしこの4年間はコロナ対策に全力を尽くしてきたこともあり、本来すべきことが後回しになっていたことは否めません。ですから現状を再評価し、医師会活動を本来あるべき方向に進めていくことが何よりも大切だと思っております。健康啓発事業はもちろんのこと、医療のICT化、医療DX推進、医師会システムの整備など多くの課題に取り込む必要があると思います。大阪府医師会や近隣の地区医師会との連携を密にとりながら尽力していきたいと思います。
 よろしくご指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

西区医師会 内藤 方克 会長

 令和6年6月1日より石村順治前会長の後を引き継ぎ、西区医師会長を務めさせていただいております内藤方克です。
 西区医師会は、昭和22(1947)年新制西区医師会として誕生し、平成24(2012)年に一般社団法人大阪市西区医師会に改組後、現在に至っております。8の病院を含む約110の医療機関が加入しており、会員数約370人を擁しております。
 大阪市西区は交通の面でも大変便利な地域となり、現在人口約11万人、世帯数約7万世帯であり、とくに25~29歳が約1.2万人と、1番人口の多い世代となっております。
 当医師会では病診連携、診診連携を密に取っております。多職種同士の連携も今後ますます必要であると感じており、地域包括支援センター、保健所、区役所など行政機関との交流も深め、定期的に地域病診連携会等も開催いたしております。
 何卒ご指導ご鞭撻賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

住吉区医師会 権藤 純 会長

 この度、白木隆士前会長の後任として住吉区医師会長職を拝命しました権藤純でございます。平成21年に内科診療所を開設、30年より当医師会理事に就任いたしました。令和元年末より流行した新型コロナウイルス感染症のため、医師会活動も従来とは形態が様変わりし、種々の問題に臨機応変な対応が求められ、前会長のご苦労のほど拝察いたします。
 今期は当医師会のみならず、府医師会も体制が刷新されました。中尾正俊新会長の仰られるように、会員の確保、医師会内部体制、相互疎通の明瞭化、医療体制維持のための経済的基盤の安定化、急速なDXの緩徐化、地域医療、在宅医療体制の強化、地域住民や情報媒体への医師会の役割や現在および将来への活動内容等の情報提供、来るべき新たなパンデミックや地震などの自然災害に対する効果的な対処方法の検討など問題は山積しております。区の医師会長として微力ながらもその一翼を少しでも担えるように会員・事務局の皆様方とともに尽力させていただく所存でございます。
 まだまだ若輩者でございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。