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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年8月28日 第3082号
郡市区等医師会会員情報担当理事・事務局合同連絡協議会が7月17日午後、大阪府医師会館で開かれた。当日はオンラインを併用し、郡市区等医師会の役員および事務局員らが参加。日本医師会よりシステムの説明やデータ移行に関する事項が伝えられた。
医師会会員情報管理システムMAMIS(Medical Association Member Information System)の運用が10月より始まる。これは「全国の医師会の会員管理を担う」システム。すべての医師会員が対象となるほか、医師会未入会の医師も研修会に参加する際などに利用できる。
MAMIS構想は、組織強化の一環として、第154回日医定例代議員会で松本吉郎会長が所信表明の中で打ち出した。特に勤務医会員の異動に伴う手続きを簡素化することで、入会を継続させることが狙いだ。全国の医師会業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が重要と考える同氏の肝いりの施策の一つである。
一方で、システムの運営には郡市区等医師会・都道府県医師会の協力が不可欠だ。日医も会員データがなければ、「ただの空白画面」と懸念を示す。将来的にはマイページから研修会の申し込みや取得単位の確認、認定産業医・健康スポーツ医の申請手続き、会費関連の実装も見込む。
この日は、日医から担当職員が来会し、MAMISの具体的な内容やデータ移行に関する説明を行った。栗山隆信・清水智之両理事が司会を務め、はじめに中尾正俊会長があいさつ。MAMISの取り組みは、「紙ベースで運用していた会員の入退会手続き等をデジタル化するもの」で、円滑な事務作業につながるとして各医師会に協力を求めた。さらに、松本・日医会長の主導で全国的に進んでおり、府医としても協力していきたいと語った。一方で、大きな変革であり不明点も多いと憂慮。日医より担当者を招いており、忌憚のない意見交換をしてほしいと促した。
続いて、日医情報システム課からの説明に移った。まず、10月の実施に向けて全国で説明会を開催していると言及。プロジェクトへの協力に謝意を表した。昨今のデジタル化で、様々な手続きがインターネット上で完結する現状を踏まえて「医師会でも取り入れる必要がある」と指摘。医師の負担を減らしながら、医師会活動へ参画してもらうことが目的だと述べた。あわせて、医師会の三層構造を崩すのではなく、現在の状況をデジタル化するものと強調。基本データの移行が最重要事項であり、綿密な調整の中で都道府県・郡市区等医師会独自のデータも反映させたいとの考えを示した。その上で、諸手続きのフローやデータ入力について詳しく解説した。
次いで、栗山理事が「府医から提供するデータ」を伝達。その後に行われた質疑応答では、▽将来展開の構想▽MAMISを活用できる範囲▽実施にあたっての補助金の有無――などについて意見を交わした。