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北区医師会「第25回みんなで学ぶ健康法」

府医ニュース

2024年8月7日 第3080号

フレイルを予防する食事・運動を解説

 北区医師会在宅医療推進委員会は6月13日午後、「第25回みんなで学ぶ健康法」を同区民センターで開催した。今年度は「フレイルを予防する食事・運動――人生100年時代を迎えて」をテーマに行われ、300人の区民が聴講した。
 総合司会を西平綾子・北区医師会理事が務め、冒頭、主催者を代表し本出肇・同医師会長があいさつ。コロナ禍で外出する機会が減ったことで、認知症や寝たきりの高齢者が増えているが、「人生100年時代を元気に生き抜いてほしい」と言及。本日の講演が参考になればと期待を寄せた。続いて、同区保健福祉センター医務主幹の廣川秀徹氏が登壇。男女ともに平均寿命が延びる中、健康寿命をいかに伸ばすかが今後の課題とした。
 まず、山田祐一郎氏(関西電力病院副院長)が「サルコペニア・フレイルを知る」と題して講演した。日本は超高齢社会を迎え、100歳以上の高齢者も増えてきたと説明。要因として、▽病気で亡くならないようになってきた▽元気な高齢者が増えた――ことを挙げた。その上で、「自立度」の加齢変化を示し、フレイル・サルコペニアの予防が重要だと指摘。フレイルは要介護状態の前段階で、「適切な介入により健康な状態に戻る可能性がある」とした。まずはフレイル健診や特定健診で健康状態を把握し、適切な食事・運動を行うことが大切と伝えた。
 次に、松木良介氏(関西電力病院理学療法士)が「フレイルを予防する運動」をテーマに講演。はじめに、健康長寿の3つの柱として、①栄養(食・口腔機能)②運動③社会参加――を示した。フレイルチェックで用いられる『イレブン・チェック』は、これらに関する11項目で構成されるとし、口腔機能・嚥下機能の低下による影響や、運動療法の種類・効果などを詳述した。その後、会場では参加者と一緒に、舌やのどの運動、座りながらできる簡単な運動が行われた。
 続いて、山田氏が登壇し、「フレイルを予防する食事」を解説。食事でのポイントとして、▽十分なエネルギー▽たんぱく質▽1日3食均等に栄養をとる――の3つを紹介した。また、食べる順番や間食のとり方についてもアドバイス。食事と運動で筋肉量を保ち、元気に長生きしてほしいと呼びかけた。