TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

拡大鏡

府医ニュース

2024年8月7日 第3080号

 ◆けたたましい蝉の声が目覚まし時計となってから少々早起きになっている。今年の夏は、始まりからいきなり連日の酷暑も相まってすでにお疲れモードだ。
 ◆特に高齢者には、暑い時間帯での不要不急の外出を控えるようにとの警告がなされる一方で、運動不足長期化によるフレイルも懸念される。いかにも難儀な夏である。
 ◆先日、気分だけでもと涼を求めてあべのハルカス美術館を訪れた。『広重 摺(すり)の極(きわみ)』が催されている。菅笠を飛ばされた旅人が慌てて追いかける姿をユーモラスに描いた東海道五拾三次「四日市三重川」をはじめ数多くの名品が堪能できる。広重最晩年の「名所江戸百景」には、広重ブルーと呼ばれる深く澄んだ藍色を基調とした傑作が揃う。夏の風物詩を描いた「大はしあたけの夕立」や「両国花火」は一層にブルーが映え風情に富む。
 ◆今ではゲリラ雷雨に熱中症覚悟の花火見物で風情もないが、広重の目には如何に映るだろうか。ともあれこの夏は、万全に涼をとり無事に過ごせますように、暑中お見舞い申し上げます。(誠)