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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府女医会 第16回総会・講演会

府医ニュース

2024年7月31日 第3079号

新会長に藤谷氏を選任

 大阪府女医会(樋口洋子会長〈当時〉)は6月16日午後、第16回総会および講演会を大阪市内で開催。ウェブとの併用で行われ、約70人が参加した。

 冒頭、樋口・女医会長はあいさつで、同医会の活動への会員の理解と協力に謝意を表した。また、女性医師がますます活躍できるよう今後も尽力していくと述べ、一層の協力を求めた。次に、議長・副議長の選出に移り、議長に野崎京子氏、副議長に是枝ちづ氏が選出された。決議事項では、令和5年度事業報告・収支決算・監査報告、6年度事業計画・予算および理事・監事・評議員選任の件が上程され、いずれも承認された。総会閉会後には臨時理事会が招集され、藤谷宏子氏が新会長に就任した。
 講演会では、まず、大霜智子氏(大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学准教授)が「アトピー性皮膚炎治療における最新の外用療法を考える」と題して、アトピー性皮膚炎の病態、診断基準、治療などを解説。治療は外用療法が基本とし、各外用剤の作用機序・副作用などを比較した。アトピー性皮膚炎は適切な治療により皮疹が安定した状態が維持されれば寛解が期待されるとし、再燃を繰り返す場合は、「プロアクティブ療法」による外用剤の継続が大切と語った。
 続いて、高井康之・大阪府医師会長(当時)が「最近の医療情勢」と題して講演した。はじめに、かかりつけ医機能が発揮される制度整備について言及。かかりつけ医を巡る議論では、登録制や人頭払いの導入などが挙がっているが、「医師会の主張とは大きな隔たりがある」とした。かかりつけ医は「患者が自ら選択するもの」であり、多様な医療ニーズがある中、地域を面で支えることが不可欠と強調。加えて、来年4月施行の「かかりつけ医機能報告制度」の検討状況を説明した。
 また、医薬品の問題にも触れ、▽医薬品の安定供給▽後発医薬品の薬価削除プロセスの簡略化▽高額医薬品――などについて詳述した。さらに、財政制度等審議会「春の建議」から社会保障・医療、少子化対策に関して説示。社会保障費の伸びを高齢化の伸びの範囲に抑える対応や地域別診療報酬の導入などに対して、松本吉郎・日本医師会長は反論を唱えているとし、「医療現場の意見をしっかりと訴えていかなければならない」と力を込めた。