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医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だよりNo.115

新型コロナウイルス感染症に対して大阪の医療機関はがんばったのか?――果たして府民の評価はいかに

府医ニュース

2024年7月3日 第3077号

 大阪の医療機関の新型コロナウイルス感染症対応に関しては「努力が足りない」など批判的な報道等がなされたこともあったが、一旦収束の時点での府民の評価はいかがなものであろうか。本年3月に調査委員会が行った府民意見調査から令和2年以降の国、行政、医療機関の新型コロナ対応のアンケート結果を報告する。
 「とてもよくやった」「よくやった」は行政29.6%、公的病院50.4%、私立病院42.6%、診療所42.5%と公的病院の評価が高く、行政が低い評価であった。私立病院と診療所の評価はほぼ同じであった。「あまりやってない」「まったくやってない」についても同様で、行政24.4%、公立病院12.9%、私立病院15.6%、診療所14.9%であった。
 自由意見においては1200人中1139人と多くの意見があり興味のある内容であった。行政関係では348件中「対応が遅い」が84件と最も多く、次いで「情報不足」33件、「対応を煽り過ぎ」28件。医療関係では、157件中「よくやった」が38件と最も多い反面、「コロナの診療をしない病院、診療所が多い」「診療する医療機関を探すのが大変」が36件みられた。ワクチン関連では81件あり「予約が取りにくい」16件、「ワクチン開始が遅い」10件、「副作用などの情報が少ない」8件などの意見がみられた。全体を通して行政関係に対する評価が低い傾向であった。府民の評価は、医療機関の40%以上は「よくやった」としている。また、「普通」とは普段と変わらない、あるいは感染症に対して医療機関として当然の対応をしている、と考えるかによるが、「普通」を含めると70%以上の評価が得られており、今後も努力の必要はあるが、決して医療機関にとって批判的な内容ではなかったと思われる。

文 長﨑 雄二(藤井寺市)