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宇宙への挑戦

府医ニュース

2024年7月3日 第3077号

 ロケットが爆発する時、派手な花火を見る感覚で心地よいと思うのは素人だろう。最近の爆発からは膨大なデータを収集して、爆発原因を改良していくことがトレンディーなのである。失敗後の記者会見でも悪びれず、次の挑戦へ向けた抱負を語るのは、2010年代後半あたりからである。16年、民間のスペースXのファルコン9がケープカナベラル空軍基地で大爆発した映像をまだ覚えているが、今年6月6日に同じ基地からボーイングのスターライナーが打ち上げに成功している。
 ロケット発射が民間に移行するにつれ、失敗に対してポジティブなコメントが目に着くようになった。恐らく失敗は最終結果だけで、途中のステップまでは成功しているため膨大な特許が発生しているのだろう。こういう取り組みは、政府側からすれば、失敗すれば1段目を切り離せば良いし、民間側からすれば一攫千金でもあり、若い人の挑戦を受ける格好の場となっている。現代版ゴールドラッシュだ。
 スターライナー発射と同日、文部科学省がJAXAの月着陸技術の民間移転の検討を始めた。素人目には月着陸技術だけで、どうやって生計を立てていくのかと思うが、多分逆さま着陸は特許の山ということだ。SLIM月着陸船で熱狂した日に、月着陸の写真をどうやって撮ったのか調べたところ、SORA―Qというオモチャに行き着いた。アマゾンで値段を調べたら、3万円ほどが10万円に跳ね上がっていた。5月末タカラトミーがSORA―Qを希望する学校への無償提供を公表したが、文科省の関与がやっと理解できた。また追加販売するそうだ。もう一度アマゾンに戻って値段を調べたら、なんと20万円のプレミアが付いているSORA―Qが売れ残っていた。一攫千金を狙う宇宙産業は有象無象、リーバイスも乱立する。(晴)