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医師・医療関係者のみなさまへ

勤務医部会活動報告

都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会

府医ニュース

2024年6月26日 第3076号

 令和6年度都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会が5月17日に日本医師会館とウェブの併用で開催された。当日は、各都道府県医師会役員をはじめ、日医役員、日医勤務医委員会委員など87人が参加した。
 冒頭、松本吉郎・日医会長のあいさつに続き、5年度の全国医師会勤務医部会連絡協議会の開催を担当した青森県医師会の樋口毅常任理事より開催報告。その後、6年度の同協議会の開催を担当する福岡県医師会の一宮仁副会長が開催要領を紹介するとともに多数の参加を呼びかけた。
 協議では、まず「大規模災害と勤務医」と題し、細川秀一・日医常任理事が講演した。細川氏は、日医の災害対応について、今般の能登半島地震への対応に沿って説明。災害対応は急性期だけではなく、長期的な支援活動が必要であり、医師会の組織力を最大限に活用して国に対する被災地支援要求および医療提供を行うとした。災害時には医師会が災害関連学会と連携し、JMAT(日医災害医療チーム)の枠組みで活動を行い、被災地の地域医療を取り戻すことが最終目標だと述べた。
 そのほか、重装JMATの活動を解説。インフラ復旧が難航していた輪島市、能登町、珠洲市などで自己完結型の活動を展開し、多くのDMAT(災害派遣医療チーム)隊員や勤務医の参加、活躍に謝意を示した。今回の災害は、高齢化やインフラの立ち直りに時間がかかるという問題が浮き彫りとなった。今後の災害対策の参考になったとし、現在では、千島海溝地震の訓練を行い、医師が少ない地域やアクセスが困難な地域の対策を検討していると述べた。今後の課題として、外国人や高齢者への対応、医療機能の分化などを話し合う必要があると締めくくった。
 引き続き、「若手医師の期待に応える医師会の姿」をテーマに、今村英仁・日医常任理事が講演。今村氏は、若手医師と勤務医の部分が密接に関連しているとし、未来医師会ビジョン委員会の活動とその目的を説明した上で、同委員会の答申を解説した。答申内では、同委員会の歴史とその影響を強調し、若手医師が期待するもの、医師会は何ができていないのか、そして今後若手医師の期待に応えるための活動は何が必要なのかを議論したと紹介。議論では、医師会が我が国最大の医局になることで、若手医師の不安を払拭することができるとの提案や医師会広報のあり方として若手医師に対する表彰制度設立の提案があったと語った。
 そして、日医では、若手医師の挑戦に焦点を当てたシンポジウムを5月11日に開催し、現地・サテライト会場・ウェブを合わせて、約500人が参加。シンポジウムの内容は、特設サイトで視聴可能である。最後に、今後も若手医師との交流を深め、彼らの活動に注目を向けるよう促した。
 各講演後には質疑応答が行われ、活発な議論が展開された。

府医勤務医部会副部会長(府医理事) 杉本 圭相