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時事

全世代型社会保障構築会議開催

府医ニュース

2024年6月26日 第3076号

かかりつけ医機能について

 令和6年5月27日に第18回全世代型社会保障構築会議が開催され、全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革行程)の検討状況について(地域医療構想、かかりつけ医機能等)議事が行われた。
 この中より、かかりつけ医機能について述べる。5年12月22日の閣議において、▽かかりつけ医機能が発揮される制度整備について、85歳以上の高齢者の増加等を見据えて、診療実績に係る情報提供の強化を含め、医療機能情報提供制度の刷新や、かかりつけ医機能報告制度の創設等により、国民・患者から見て、一人ひとりが受ける医療サービスの質の向上につながるよう、7年4月の制度施行に向け、検討会等で具体的な議論を行い、6年夏頃までに結論を得る▽5年の全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律の施行状況等を踏まえ、患者による選択や、地域包括ケアの中でのかかりつけ医機能、かかりつけ医機能の対象者、医療機関の連携・ネットワークによる実装等について更なる検討を進める▽地域で必要となるかかりつけ医機能の確保に向けた医師の教育や研修の充実にも取り組んでいく――ことが決定された。
 かかりつけ医機能が発揮される制度整備の概要は、(1)医療機能情報提供制度の刷新(6年4月施行):かかりつけ医機能を十分に理解した上で、自ら適切に医療機関を選択できるよう、医療機能情報提供制度による国民・患者への情報提供の充実・強化を図る。(2)かかりつけ医機能報告の創設(7年4月施行):▽かかりつけ医機能について、各医療機関から都道府県知事に報告を求めることとする。▽都道府県知事は、報告をした医療機関がかかりつけ医機能の確保に係る体制を有することを確認し、外来医療に関する地域の関係者との協議の場に報告するとともに、公表する。▽都道府県知事は、外来医療に関する地域の関係者との協議の場で、必要な機能を確保する具体的方策を検討・公表する。(3)患者に対する説明(7年4月施行):都道府県知事による(2)の確認を受けた医療機関は、慢性疾患を有する高齢者に在宅医療を提供する場合など外来医療で説明が特に必要な場合であって、患者が希望する場合に、かかりつけ医機能として提供する医療の内容について電磁的方法または書面交付により説明するよう努める。
 かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に向けた基本的な考え方として、複数の慢性疾患、認知症、医療・介護の複合ニーズを抱える高齢者が増加する一方、医療従事者のマンパワーの制約があり、医療従事者の働き方改革を推進する中で、地域の医療機関等や多職種が機能や専門性に応じて連携して、効率的に質の高い医療を提供し、フリーアクセスの下、必要な時に必要な医療を受けられる体制を確保することが重要としたことは注目に値する。(中)