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ニューレジリエンスフォーラムが東京で開催

府医ニュース

2024年6月26日 第3076号

感染症と自然災害に強い日本へ

 ニューレジリエンスフォーラム(会長=三村明夫・日本製鉄株式会社名誉会長)は5月30日午後、日本武道館で「国民の命と生活を守る1万人大会」を開催。全国から約1万230人が会場に駆け付け、大阪府医師会からは清水智之理事が参加した。

 冒頭、主催者を代表し三村氏があいさつ。本フォーラムでは緊急事態に対応する提言を政府各党に4回にわたり提出し、医療提供体制の整備や医薬品の緊急承認制度などが実現したと述べた。また、1月に発生した能登半島地震に触れ、首都直下型地震や南海トラフ地震の発生に備えが必要と指摘。本大会が災害に強い国づくりへの新たな出発点になればと期待を寄せた。
 続いて、来賓として岸田文雄首相が登壇。我が国は災害が発生しやすい環境にあり、緊急事態に強い国づくりは重要な課題とした。その上で、緊急時でも国家の機能を維持できる体制を整えておくことが重要だと強調。平時から様々な事態を想定して準備しなければならないと語った。
 続いて、松本吉郎・日本医師会長が意見表明。災害時の避難所で感染症が拡大した際には、要配慮者の生命と健康が危機に晒されるとし、「災害・感染症はオールジャパンでの対応が求められる」と力を込めた。そして、国による指導の下、官民が協働できる体制が重要だと説いた。
 その後、あらゆる災害に対応するオールハザード型の司令塔を国に設置することなど3項目を求める大会決議を採択。最後に、横倉義武・日医名誉会長が、「自然災害と感染症の備えは国と地方の制度を整備するとともに、国民が行動に移すことで生命と健康を守ることができる」と訴え、幕を閉じた。

※ニューレジリエンスフォーラム:感染症や自然災害に強い社会を目指す国民的議論の推進を主旨に医療・経済界、自治体等の代表が発起人となり、令和3年6月に設立。横倉・日医名誉会長が共同代表の一人を務める。