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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府内科医会主催「第25回市民公開講座」

府医ニュース

2024年6月5日 第3074号

慢性腎臓病をテーマに開催

 大阪府内科医会(福田正博会長〈当時〉)は3月20日午後、大阪市内で第25回市民公開講座を開催した。今回は「気がつけばあなたはすでにCKD? とても大事な腎臓のお話」をテーマに実施し、約120人が参加した。

 開会にあたり、福田・同医会長があいさつ。同医会の活動として、会員の研鑽だけでなく、府民への健康情報の啓発も行っていると述べ、本公開講座もその一環であると紹介。今回のテーマである慢性腎臓病について正しい知識を学んでほしいと呼びかけた。
 続いて、「縁の下の力持ち 腎臓のことを知りましょう」と題して、黒川浩史・同医会理事(当時)が講演した。黒川氏は、腎臓の働きとして①老廃物の排出②血圧の調整③血液を作る司令塔④体液量・イオンバランスの調整⑤強い骨を作る――を挙げ、体を正常な状態に保つ重要な臓器と説示。一方で、偏った食生活や高血圧、糖尿病を放置するとCKD(Chronic Kidney Disease/慢性腎臓病)になる恐れがあるとして注意を促した。また、腎機能の検査について解説。e―GFRの数値によってCKDのステージがG1~G5に分類されており、末期腎不全であるG5になると人工透析が必要になると語った。最後に黒川氏は、CKDの進行を遅らせる薬もあるため、気になることがあればかかりつけ医に相談するよう求めた。
 引き続き、福田会長、外山学・同医会副会長の司会により、パネルディスカッションが展開された。パネリストとして黒川氏に加え、宇津貴氏(日本生命病院副院長)と本田多嘉子氏(大阪府薬剤師会理事)が登壇。参加者への事前アンケートの結果を示しつつ、CKDを疑うべき症状や治療薬などについて、かかりつけ医、専門医、薬剤師それぞれの立場から見解が述べられた。