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時事

令和6年度健康保険組合予算編成状況

府医ニュース

2024年5月29日 第3073号

早期集計結果(概要)を発表

 令和6年4月23日に健康保険組合連合会は、6年度の予算編成状況について報告のあった1353組合の予算数値(6年3月22日時点)を基に、6年4月1日時点に存在する1379組合の財政状況を推計し、その結果を取りまとめたものを発表した。
 6年度予算の経常収支は収入9兆53億円(対前年度比+4.5%)、支出9兆6631億円(+5.3%)で、収支差引額は6578億円の赤字となる見通し。保険料収入は対前年度比4.5%(+3811億円)の増加を見込んでいるが、33年ぶりと言われる6年春闘の高い回答結果が反映されておらず、大幅な賃上げに期待している。なお、賃上げ1%は保険料収入+800億円に相当するとのことである。一方、保険給付費は4~5年度の医療費の高い伸びや著しい変動が懸念材料となり、6.2%増(+2945億円)と例年に比べ高めの見込みだが、5年度下半期以降、伸び率が鈍化しており、6年度もその傾向が続く見込みである。高齢者拠出金は4.6%増(+1701億円)となり、前期高齢者納付金が5.7%(+866億円)、後期高齢者支援金は3.8%(+835億円)増加した。なお、6年度新設の出産育児交付金は41億円を計上した。
 赤字組合は、前年度予算に比べ103組合増加して1194組合(構成比:86.6%)となり、赤字総額は814億円増の6841億円となる見通し。一方、黒字組合は104組合減少して185組合(同13.4%)となり、黒字総額は142億円減の264億円の見通し。
 組合数は、前年度比1組合減少の1379組合で、被保険者数は、前年度に比べ18万2466人増の1686万6761人(+1.1%)と過去最高(元年度に比べ44万人増加し、特に女性が+49万人と著増)、被扶養者数は26万8397人減の1139万3147人(▲2.3%)。平均標準報酬月額は1.9%増(+7246円)の39万1372円、平均標準賞与額は3.0%増(+3万4351円)の119万7287円。各組合が設定した保険料率の平均料率は、前年度に比べ0.05ポイント増の9.32%で、協会けんぽの平均料率よりかなり低率であった(協会けんぽの最低料率は新潟県の9.35%、最高料率は佐賀県の10.42%であり、大阪府は10.34%)。なお、保険料率の設定状況は、料率8%未満が7.1%、8.0~8.5%未満が8.0%、8.5~9.0%未満が13.2%、9.0~9.5%未満が19.7%、9.5~10.0%未満が27.3%、10.0~10.5%未満が17.5%、10.5~11.0%未満が4.7%、11.0%以上が2.4%であった。
 経常収入では、総額9兆53億円のうち、保険料収入が8兆8851億円で全体の98.7%を占める。一方、経常支出では、総額9兆6631億円のうち、保険給付費5兆756億円(構成比:52.5%)、後期高齢者支援金2兆2769億円(同23.6%)、前期高齢者納付金1兆6003億円(同16.6%)、保健事業費4664億円(同4.8%)である。(中)