TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年4月3日 第3068号
大阪府医師会は1月13日午後、大阪府在宅医療総合支援事業の一環として、「在宅医療における医薬連携研修会」を開催。医師・薬剤師など多職種が、会場とウェブで約300人受講した。
辻毅嗣氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員)が座長を務め、中尾正俊副会長が開会あいさつ。4月から始まる第8次医療計画では、在宅での服薬管理が重要視されていることに触れ、多職種間で緊密に連携し、在宅医療の進展に尽力したいと力を込めた。
はじめに、医師の立場から、南條浩輝氏(かがやきクリニック院長)が小児在宅を中心に講演した。
まず小児在宅医療の変遷を概説。2010年頃の「NICU(新生児集中治療室)出口問題」を契機に推進され、現在は患者の医療依存度によらず、医療・福祉・教育・保育が連携して「生活のしにくさ」の改善にも対応していると解説した。
次いで、各職域が専門性を発揮して連携するためには、明確な役割分担が不可欠とし、求める薬剤師像に言及した。患者には処方全般をフォローする「かかりつけ薬剤師」、在宅医には処方提案が期待できる「薬の専門家のパートナー」と述べる一方、処方箋のみでつながる医師と薬剤師の関係は「近いようで遠い」と指摘。自身の取り組みを紹介し、双方向で同一情報の共有を図ることは、医師側の課題でもあると訴えた。
続いて、薬剤師の立場から、羽尻昌功氏(大阪府薬剤師会常務理事)が講演した。
まず、誰もが住み慣れた町で生活を続けるためにも、薬局がかかりつけ機能を推進し、地域のインフラの一部になればと前置き。調剤だけではなく、食事や排せつ、睡眠など患者への質問を通して、服薬による効果や副作用をフォローアップし、多職種との情報共有に努めていると述べた。
最後に、さらなる医薬連携に向けて、▽情報共有▽コミュニケーション▽薬剤師からの相談・提案▽適切な薬剤管理▽緊急時対応――が在宅医療における薬剤師の必須事項だと結んだ。