終結とは何だろう

　２０２３年10月７日イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃に、強い衝撃を受けた。
　イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区への空爆を強め、ハマス側もイスラエルに対し多数のロケット弾を発射。双方の死者は増え続けている。ガザ地区の面積は日本の種子島ほどだが、約２００万人が住み、非常に人口密度が高い。壁に囲まれ、人やモノの厳しい封鎖が続いていることから「天井のない監獄」とも呼ばれている。電気、ガス、水、食料などを遮断し、空爆を続けるなど、事態の悪化が続く。
　19世紀末のシオニズム運動、１９１５～17年フセイン・マクマホン協定（イギリスがアラブ人の独立国家を約束）、サイクス・ピコ協定（イギリスとフランスが第１次世界大戦後の中東分割支配密約）、バルフォア宣言（イギリスがユダヤ人の国家建設を支持）を経て、ナチス政権のユダヤ人大虐殺、１９４７年国連総会がパレスチナ分割決議採択、１９４８年イスラエル建国、そして、第１～４次中東戦争、オスロ合意の破綻、パレスチナ自治区への入植。70年以上が経過。３世代以上にもなるパレスチナ難民も多い。
　複雑なイスラエル・パレスチナの問題だが、その現状を知り、できることは何か考えていこうと思う。
戦争が
　　廊下の奥に
　　　　立ってゐた
　　　　　渡辺白泉
　渡辺白泉（１９１３～69年）は、東京都出身。この句は戦地ではない場所で詠まれた、戦争の空気感を伝える句。銃後俳句。銃後は戦地の後方の意味。廊下の奥という表現で、一本道で逃げられず、待ち構えている様子が伝わる。警戒感と回避できない無力感も伝わってくる。（颯）