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医師・医療関係者のみなさまへ

内科学校健診の説明動画作成

府医ニュース

2023年4月19日 第3033号

――学校医が様々な疑問に答える

 大阪府医師会学校医部会は内科学校健診に関するスライド動画を作成し、ホームページに掲載した。動画は小学生(低学年・高学年/各約4分)、中学生・高校生(各約7分)の年代に応じて分かりやすく健診の重要性を伝えている。
 児童生徒等の健康診断は学校保健安全法に記述されている。具体的な内容は同法施行規則で触れられており、学校医は法令に則って業務を行う。内科学校医が行う検査項目の中には「脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無並びに四肢の状態」「心臓の疾病及び異常の有無」等があり、精度を保つ必要がある。一方、昨今は様々な理由で、衣服の着脱等に配慮を必要とする児童生徒が在学することに加え、保護者の考えも多様化している。これに対し、府医は学校医に法規の遵守を求めつつ、保護者への説明を含めた環境整備は教育庁・委員会と学校の責務であるという立場をとっている。
 しかし、現場の学校医からは「円滑な実施が困難」との声が多く寄せられた。こうした状況や2月21日に開催された「大阪府立学校における健康診断の在り方検討会」の議論を踏まえ、府医で動画を作成するに至った。「なぜ必要なのか?」「どのような意義があるのか?」「適正な健診とは?」など、児童生徒と保護者への理解が深まるよう医療者の立場から答える形で製作した。
 本動画は4月よりスタートする学校健診に備え、大阪府教育庁より府内の市町村教育委員会にも周知をしており、学校現場で活用されることが期待される。
 また、内科健診の衣服の着脱に関する話題は、1月17日に開催された都道府県医師会長会議において議論の中心となった。各会長からは、「学校医の執務は医師の善意によるところが大きく、マスメディアが特定の事案でキャンペーンを行うとモチベーションが下がりかねない」「診察の基本は視診・聴診であり、検査機器と併用して精度を高めるべき」「教育委員会と医師会のスムーズな連携が必要」「より多くの女性医師が学校医活動に参加してほしい」などの意見が出された。
 なお、森口久子理事は4月6日開催の市町村教育委員会教育長会議と府立学校校長会において、課題解決には教育委員会と医師会の連携が重要であり、郡市区医師会と緊密に連携することを主張している。