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府医ニュース
2023年4月19日 第3033号
「春眠暁を覚えず」
毎年、春になると一度は使うフレーズだ。春の夜は眠り心地がいいので、つい寝過ごしてしまう。昼間に、うとうとしてしまうこともある。天候や気温が不安定な春は、自律神経のバランスが崩れやすく、睡眠の質が下がると言われている。また、年度初めで、進学、入社、転勤、それに伴う転居など、環境の変化も睡眠への影響があるそうだ。
「春眠暁を覚えず」は、7~8世紀中国唐時代の詩人、孟浩然の『春暁』という漢詩の冒頭で、続いて、「処々啼鳥を聞く 夜来風雨の声 花落つること知る多少」。明け方になったのも気付かず、鳥があちらこちらでさえずる声で目を覚ました。そういえば昨晩から雨の音がしていたが、花はどれほど散っただろうか。
夜の雨。雨音には、1/fゆらぎが含まれ、心拍や呼吸などの生体リズムと呼応する。また、人間の可聴域を超えた高周波(ハイパーソニック)が含まれていて、耳で聴こえる音とともに体感すると、脳からα波が発せられ、リラックス状態に導かれるそうだ。花散らしの雨となり、地面に広がる花びらも、また、寛雅だ。
今年は、暖かな日が続き、桜の開花は3月19日と、昨年より4日早かった。4月に入り、花時雨が降ったものの、入学式や始業式も散りきらずに、桜の花を長く楽しむことができた。柔らかく温かな春の雨は、植物の成長を助け、潤すとも言われる。不安定だった春の気候が安定してくる4月20日は、二十四節気の「穀雨」にあたる。
(颯)