TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

文化講演会で井村雅代氏が講演

府医ニュース

2020年2月5日 第2918号

人を育てる秘訣を熱弁

 大阪府医師会・大阪府医師協同組合の共催による令和元年度「文化講演会」が令和元年11月16日午後、同組合本館で行われた。本講演会は会員とその家族、会員医療機関従業員への福利厚生事業として毎年実施されており、今回は「日本シンクロ界の母」と称されている井村雅代氏(アーティスティックスイミング日本代表ヘッドコーチ)を講師に招聘。定員を超える参加者約280人が参集した。
 「『人を育てる』――あなたが変わるまで、わたしはあきらめない」と題して講演を行った井村氏はまず、平成26年に日本代表コーチへ復帰した当時を振り返り、自身が日本を離れていた10年の間に、日本の若者の価値観が大きく変わっていたと述懐。競争を嫌う「燃えない若者達」の心のスイッチを入れるには、達成感を味わわせる必要があると分析した。その上で井村氏は、「昨日よりもこれができるようになった」という日々の小さな成功体験が若者を成長させるとして、「1㍉の努力」で叶えられる目標を設定。達成感を繰り返し積ませたと述べ、「オリンピック選手は大きな目標のために小さな目標を持たなければいけない」と熱弁した。
 更に、選手を叱るときの心掛けとして「現行犯で叱る」「感情的にならない」「具体的な改善方法を示す」などを挙げ、今よりも必ず良くなるという可能性を信じなければいけないと強調した。
 終わりに際し、井村氏は開催国である東京オリンピックでヘッドコーチを務められることを「宝くじが当たるくらい幸せ」と語り、「最後まで選手の力を伸ばし続けることを諦めない」と締めくくった。